退院したらステーキを食べに行きたい男【3000文字チャレンジ】

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こんにちは、霧島もとみです。

3000文字チャレンジは2年目の新しいスタートに突入し、最初のお題「ハンバーグ」を踏襲した「ステーキ」が今回のお題です。

そんな記念すべきお題「ステーキ」ですが、そういえば自分自身が入院生活を1ヶ月ほど送っていることもあり、退院したら食べたいものって何かな…と考えたときに思い浮かんだ一つが「ステーキ」でした。

そんなステーキに賭ける思いを、そこはかとなく書いてみることにします。

時間を無駄にしてもいいよという方は、ぜひご覧ください。

退院したらステーキを食べに行きたい男

入院生活を始めてから1ヶ月が過ぎました。

退院の目処が見えてきたところで、退院したら何がしたいかな…と考えてみたところ、

美味しいものが食べたい。

が割と大きいです。

病院食も普通に美味しくて助かってはいますが、やはり健康的なあっさりした食事になっているので、ドカ!というものが食べたいなーと思っちゃいます。

そこで…

 

「やあどうも、お見舞いに来ましたよ」

 

…えっ、恭也さん?こんにちは。

 

「えっ、何?退院したらステーキが食べたいって?いやあ豪勢なことですね」

 

…うわいきなり。強引だなあ。

「でも急には難しいかも。入院生活に慣れた身体に、いきなりステーキはちょっと重すぎるかもしれないですね」

…まだ誰もステーキとは言ってないですけど。

「でもそんなに食べたいのなら仕方がない。よし!そしたらいつ退院しても大丈夫なように練習しときましょう!」

…れ、練習?

「じゃあ私がステーキ屋さんをするので、お客さんとして来てください」

…なんですかこの展開は。

「いいからいいから!」

 

…分かりましたよ。えっと、ウィーン…

ウィーン…?自動ドアなんて芸が細かいなあ。やる気ですねお客さん」

…まあ、せっかくだから。

「でも残念!」

…えっ?

「ウチは自動ドアじゃなくて引き戸なんです。だからウィーンじゃないんですよ!ガラガラガラッが正解です。ブッブー」

…面倒くさいなあ…。

「まあこれでも老舗のステーキハウスですからねえ。じゃあ、もっかいお願いします」

…はいはい、ガラガラガラッ

「はーい、いらっしゃいませ。ステーキハウス恭也へようこそ。何名様ですか?」

…1人です。

「お一人様ですね?」

…はい。大丈夫ですか?

「もちろんお一人様でも大丈夫ですよ。…でももし、差し支えなければ、どうしてお一人でいらっしゃったのかをお聞かせ願えませんか?」

…いや、実はですね。1ヶ月ほど病院に入院していまして。それでようやく退院出来たので、そのお祝いに美味しいものをね、1月ぶりに何か食べたいなと思ったんですよ。

「そうでしたか!」

…そうなんです。

「そんな記念のお食事に、当ステーキハウスを選んでいただいてありがとうございます。いやあ嬉しいですね。それに嬉しい偶然ですね

…嬉しい偶然?

「実は当店にとっても、一ヶ月振りの記念すべきお客様なんですよ」

…えっ?お休みしてたんですか?

「いえ、営業しておりました」

…どういうこと?

「はい。誰もお客様がこなかっただけです」

…えっ、人気ないの?大丈夫なの?

「とんでもない!老舗ですから。あんまりに美味しすぎて、もうしばらく来なくていいかなーって大好評をいただいてるみたいなんですよ」

…それって美味しくないってことなんじゃ…。

「まあまあ!大丈夫です!それでは席にご案内します。こちらへどうぞ」

…はいはい。

「では早速ですが、今日のご注文はいかがいたしましょうか?」

…そうですね、ステーキをお願いします。

ス、ステーキ!?

…えっ、ここステーキ屋さんですよね?

「そうですよ」

…なんで動揺してるの?あの、ちゃんとやってくれないと練習にならないんですけど。

「あのですねお客様」

…はい?

「ステーキにもね…色々あるんですよ…ププッ。部位とか料理法とか…。それを一言で『ステーキ下さい』とか…おかしいですよね…ププッ…」

…え?

「docomoショップに行って『スマホください』って言うみたいなもんですよ〜」

…よく見る光景だと思いますけど。

「いやいや、スマホも色々種類があるし、使い勝手や値段も全然違うんですよ。ちゃんと調べてから行かないと、迷っちゃうし、本当に求めてるモノが買えなかったりするんですよ」

…まあ、あるかもですけど。

「僕も先日、買うつもりなかったのに、気が付けばiPhone 11 Pro Maxの512Gを買っちゃいました

…さ、最上級モデル!

「そうなんですよ。三目カメラがカッコいいし、大は小を兼ねるみたいな話で、せっかく買うんなら最新鋭がいいみたいに勧められてその気になっちゃって…」

…はあ。

「でも電話とカメラしか使ってないんですよ。僕には過ぎたオモチャなのかなあって、毎月の電話代を見るたびにアンニュイな気持ちになるんですよね…フフフ…

…ま、まあ、気を落とさずに。ちゃんと使えるようになりますよきっと。

ですから注文は大事なんです!まずは肉の種類から行きましょう」

…お、お願いします。

「例えば、リブロース、トップリブ、ミドルリブ、肩ロース、ヒレ下ロースなど、色んな部位があるんですよ」

…何か聞くだけで美味しそうですね。どれがいいんですかね。

「ご安心下さい。当店はお客様が迷うことのないよう、種類はあらかじめ一つに絞っております」

…えっ、何だろう?

「なので肉の種類はご注文いただかなくて大丈夫です!」

…何の種類なんですか?

「それはお答えできません」

…教えてくださいよ。食べる楽しみが増えるじゃないですか。

「それはお答えできません」

…逆に気になりますよ。教えてくださいよ。

「それはお答えできません」

…何でですか?なんか怪しい肉とか使ってるんですか?

そうです

…ってオイ!

「すみません冗談です」

…冗談がひどいです。

ちょっとだけですから大丈夫です」

…ちょっとだけでも駄目でしょ!本当に大丈夫なの?

「その点はご安心ください。多分…」

…多分?不安だなあ。じゃあ種類はもういいですよ。で、次に何を注文したらいいの?

「そうですね、次は焼き加減ですね」

…ああ、レアとかミディアムとか、あと何だっけか…ウェルダン?とかのことですよね?

「よくご存知ですね。その通りです」

…おすすめとかあるんですか?

「お客様のお好みにもよりますけど、当店ではレアをおすすめさせていただいております」

…じゃあ、レアでお願いします。

はどうされますか?」

…星?星ってなんですか?

「あれ、ご存知ありませんか?」

…いや知らないですね。

「レア度を表す星ですよ。星3から星6までありまして、星が多いほどレア度が高くなります」

…それってソシャゲのガチャじゃ…

「嫌だなあ、焼き加減の話ですよ。で、どうされますか?」

…ちなみに星3だとどうなるんですか?

「星3ですか?星3はねえ…一応レアって名前はついてますが、はっきり言って全然レアじゃないですねえ。カリッカリに焼けちゃってて使い物にならないと思いますよ」

…星4は?

「これもねえ…一応キャラ的な絵面はついてますけど、いかんせん能力が低くてやっぱり役に立たないことが多いです」

…つまりどういうこと?

「結局は星6以外は使い物にならないって事ですね。まあ星6にしたって数がもう増えすぎて、使い物になるのはその中の上位数%に満たないくらいじゃないですか?だから当たりを引くまでリセマラ繰り返して昨日なんか気が付けば4時間が過ぎちゃってて泣きそうになりましたよ」

…やっぱりソシャゲじゃないですか!そうじゃなくて焼き加減!

「課金に踏み切った私の財布は、もうウェルダンって感じです」

…上手いこと言う…じゃないの!ステーキの焼き加減!

「どうなさいますか?」

…じゃあ星6のレア!星6以外役に立たないんでしょ?

「分かりました。では、星6、出るといいですね…」

…『出るといい』ってどういうこと?

「確定ガチャは当店では取り扱っておりませんので」

…何それ?ていうかこのステーキハウス大丈夫なの?怪しい肉だとか、焼き加減は星がどうだとか…。退院する僕にふさわしい美味しいステーキを本当に食べさせてくれるんですか?

「大丈夫ですよ」

…とても信じられないな!

「大丈夫です。ステーキだけに、鉄板ですから…」

…それどういう意味?

「美味しさ鉄板!」

もうステーキ大好き!って強引すぎるわいオイ!

もうええわ!という事で何の練習にもならなかったので、無事に退院できたら何か美味しいものを食べに行きたいと思います。

ありがとうございました。

ネタって難しいですね。

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