前田裕二さん大好きブロガー、霧島もとみです。
SHOWROOMの前田裕二さんが大切にしていることの一つに、「人生のコンパス」「人生の軸」という言葉があります。
著書「人生の勝算」では人生のコンパスを持つことの大切さを紹介し、また「メモの魔力」では、人生のコンパスを持つために欠かせないのメモの技術論を示していました。
僕はこの2冊を読んでたちまち影響を受けまして、
人生のコンパスって大事だ!
僕も人生のコンパスを持とう!
と強く思いました。
そしてさっそく「メモの魔力」を片手に自己分析1000問ノックを始めてみたのですが、
待てよ?
よく考えたら、人生のコンパスって具体的にはどういうことなんだ?
といきなり壁に当たりました。
(わずか2問目での出来事でした。)
そこで、改めて「人生のコンパス」が一体何なのかを理解するために【ファクトー抽象化ー転用】のメモ魔技法で思考を深め、導き出した3つのポイントを紹介します。
人生のコンパスをより理解するためのポイントは、次の3つです。
・コンパスに必要なものを確認する
・コンパスが一番大切な理由
それでは早速、1つ目のポイントから紹介していきます。
ポイント1!人生のコンパスという抽象を具体化する
「人生のコンパス」は抽象化された言葉
1つ目のポイントは、「人生のコンパス」という言葉を自分の中で具体化することです。
なぜなら「人生のコンパス」は前田裕二さんという他人によって抽象化された言葉だからです。
僕たちはそのままでは上手く使うことが出来ません。
抽象化された言葉だということを理解するためには、【ファクトー抽象化ー転用】というメモ魔技法で考えると分かります。
著書「人生の勝算」から関連する【ファクト】と【抽象化】したアイデアを抜き出したのが次のものです。
【ファクト】
・自分から見て優れている人のモチベーションはどこから湧くのか?
・なぜその人は輝いて見えるのか?
・自分にも情熱はあるが、何が自分と違うのか?
・その人たちの幸せを感じる瞬間に自分は共感できない
・兄は価値観の軸が誰よりも定まっていて、幸せな家庭を築いている
・そんな兄を心から尊敬している
【抽象化】
・幸福の価値観は人それぞれ
・価値観=船の指針=コンパスを持っていないことが人生で最も不幸
→「人生のコンパス」
どうでしょうか。
人生のコンパスが抽象化された言葉だということが、分かっていただけると思います。
他人によって抽象化された言葉は転用できない
ところで、他人によって抽象化された言葉は、そのまま転用することは出来ないので注意が必要です。
どんなに抽象度が高い名言でも同じです。その理由を少し、お話しします。
まず、抽象化とは「具体的な事象の本質を捉えること」だと前田さんは言っています。
つまり前田さんは、自身のファクトを元に本質を捉えて抽象化した結果、「人生のコンパス」という言葉を使っているわけです。
ところが、それを聞いた僕たちがどうなのかというと、抽象化された「人生のコンパス」という言葉を媒介に、思考のなかにある「人生」と「コンパス」という言葉を結びつけて何となく分かったような気になっているだけです。
高度に抽象化された言葉は分かりやすさ・連想しやすさを備えているので「何となく分かった」気にはなりますが、本質は掴んでないんですよ。
本質を掴んでいなければ、転用はできません。
メモ魔技法で自分が抽象化したアイデアを転用できるのは、抽象化の過程で本質を掴んでいるからです。
だから、他人によって抽象化された言葉を受けって転用するためには、抽象から具体化をして、本質を掴む必要がある訳です。
それは「人生のコンパス」でも同じです。
ということで、人生のコンパスを一旦具体化して本質を掴みに行きましょう。
そもそもコンパスとは何だろう?
大辞林で羅針盤(コンパスのこと)を調べるとこう書いてあります。
磁石を用いて方角を知る計器。船や飛行機などで用いる。
磁石の「S極とN極が引きあう性質」を利用して、この地球上で常に一定の方向を指し示す道具がコンパスです。
GPSがある今では重要度は低くなり、日常生活で使うことはほとんど無くなったと思いますが、位置関係が掴みにくい船旅では長い年月の間非常に重要なものとされてきました。
その理由は、コンパスがいつでもどこでも同じ方向を指し示すからです。
常にコンパスが北を指しているからこそ、自分が今進んでいる方角が北なのか南なのか、比べて確かめることができます。
ということでまずコンパスの本質は、
・磁力を感知できる
・磁力に沿って一定の方向を常に示す
この2点です。
磁力を感知できなければ意味がないですし、それができても、いつも向く方向が違うと基準としては使えません。
これを踏まえると、「人生のコンパス」の姿が少し見えてきます。
人生という旅でのコンパスを考えれば、
・人生の磁力を感知できる。
・人生の磁力に沿って一定の方向を常に示す。
人生の磁力が何かって話ですけど、これはつまり「価値観」「人生で向かうべきベクトル」のことで、前田さんが言う「人生の軸」がこれに当たります。
次に、それに沿って一定の方向を示すのは何かというと、「自分の判断」です。
自分の軸が何かを知り、それをいつでも感じることができる。
判断を迫られた時や、次の目標を決める時には、自分の軸に沿った判断ができる。
これが「人生のコンパス」の本質です。
僕はそう考えました。
という訳で「人生のコンパス」という抽象が具体化できたので、さらに考えを進めていきます。
ポイント2!コンパスに必要なものを確認する
コンパスを使って旅するための4要素
人生のコンパスが何かということが理解できたので、次に考えるのはそれをどうやって使っていくかということです。
これを考えるためには、本物のコンパスの使い方が参考になります。
コンパスはそれ単体では「北と南を示す針」でしかなく、使い道がありません。
航海で目的地へたどり着くためには、コンパスを含めて、次の4つの要素が必要です。
オリエンテーリングをしたことがあれば、すぐに思い浮かぶと思います。
・地図
・コンパス
・現在地
・行動
要素1:地図
出発地点から目的地に向かうための地図が必要です。
地図がなければ本当に行き当たりばったり、一体どこへ向かおうとしているのか、どこに向かっているのかなんて分かる訳ありません。
要素2:コンパス
常に一定の方向を指し示すものです。
説明は省きます。
要素3:現在地
今自分がどこにいるのかという情報です。
目印になる建物や地形を使って確認することが多いでしょう。地図とコンパスが現在地を確かめる情報にもなります。
現在地が分かれば、地図を使って目的地へのルートを探し、コンパスを使って正しい方向へ進めます。
要素4:行動
最後は行動です。
行動しなければ目的地へはたどり着けません。
忘れがちですが大事な要素の1つです。
以上の「地図・コンパス・現在地・行動」が揃って初めてコンパスは威力を発揮し、旅する冒険者を目的地へとたどり着かせることができます。
では、これを「人生のコンパス」に置き換えるとどうなるでしょうか?
人生のコンパスを使うための4要素
地図・コンパス・現在地・行動という4つの要素について、旅→人生へと置き換えて整理すると、次のようになります。
要素1:地図 → 情報
地図とはつまり、目的地までの道や道中の地形、目印などの情報を書いたものです。
人生の地図とはつまり情報です。
目的地へ向かうまでに、何が必要でどこへ行けばいいのかという情報をもとに、自分の進路を描いたものと言えるでしょう。
要素2:コンパス → 人生のコンパス
自分の人生の軸を持ち、それに沿った方向を指し示すコンパスです。
コンパスとは自分自身。
自分の軸、向かうべきベクトルに対して「ブレない」自分自身を持ちます。
コンパスは「北・南」を指し示しますが、人生のコンパスはダイレクトに自分の向かうべきベクトル、人生の軸を指し示します。
要素3:現在地 → 現在地
情報と人生のコンパスを手に入れたら、その中で自分が今どこにあるのかを整理します。これも情報といえば情報です。
自分の今を徹底的に分析しましょう。
要素4:行動 → 行動
旅と同じです。
自分の人生を変えるのは自分の行動のみ。
情報をいくら収集しても、自分の軸を持っていたとしても、行動しなければ何も始まらないし決して目的地にはたどり着けません。
旅と同じで、人生においてもこれらの4要素が揃えば、目的地へたどり着ける確率を相当に上げることが出来ます。
・何をどうすればすれば良いのかを知り(地図=情報)
・向かうべき方角を知ることができて(コンパス=人生のコンパス)
・今の自分を知り(現在地)
・ひたすら進んでいく(行動)
これで人生の旅はますます確かなものとなるでしょう。
でもここで1つ疑問が残ります。
この4要素の中で、なぜ前田さんが「人生のコンパス」を常に言い続けているかということです。
情報でも現在地でもなく、なぜコンパスなのかと。
この疑問に向き合うことで、僕は「人生のコンパス」の本当の大切さに気づくことができました。
ポイント3!コンパスが一番大切な理由
人生の地図は手に入らない
結論から言います。
旅をするために大事な「地図」を、今の時代は手に入れることが出来ないからです。
もし手に入れたとしても、あっという間に書き換えられてしまう。
航海するための海の形はそう簡単には変わりませんが、人生の航海の舞台は日々ものごいスピードで変わっています。
今日このルートが安全で最短だと思っていても、新しい技術やサービスの登場であっという間に違う道が出来てしまう。
あるいは、昨日まで通れると思っていた道が行き止まりになることもある。
だから、人生という数十年単位の長い期間で、普遍の地図なんて作れないんですね。
その時点で常に最新の情報を手に入れて、アップデートしていくしかない。
地図が変われば、自分が置かれている環境=現在地も変わります。
僕が子供の頃にはなかった膨大な選択肢が今は生まれていますし、逆に災害や戦争などの悲しい事態が起これば、描いていた道なんてあっという間に変わってしまうでしょう。
では地図のない人生を旅するためにはどうすればいいのでしょうか?
これが人生のコンパスが一番大事な理由です。
人生のコンパスが一番大事な理由
社会が激しく動くからこそ、自分の進むべき方向が常に分かることが重要です。
目まぐるしく変わる社会や環境の中で、
「自分の目的地へ向かう方向はこっち」
と常に指し示してくれるコンパスがあれば、途中道に迷ったとしても、最終的には目的地へとたどり着けることができるからです。
そして社会とは違って、自分自身の軸はそう簡単には変わりません。
人生の軸を作る背景になっている、自分の経験は変わらないからです。
勿論新しい経験に影響を受けたり、過去の経験の解釈が変わったりすることはありますが、それでも大きくは変わらない。
自己分析を徹底するほど、その確かさは強くなるでしょう。
あとはただひたすらに進む。
行動あるのみです。
進んでいれば道が開けることもある。
援助者が現れることもある。
もう誰かが地図をくれて、それに従って進んでいればいい時代じゃない。
「人生のコンパス」という言葉には、そんなメッセージも込められていました。
まとめ
以上が、前田裕二さんの「人生のコンパス」をより理解するための3つのポイントです。
・人生のコンパスという抽象を具体化する
・コンパスに必要なものを確認する
・コンパスが一番大切な理由
「人生のコンパス」という抽象化された一言からこれだけ多くの事を考えさせられることに自分でも驚きました。
それは前田裕二さんのメモの魔力=【ファクトー抽象化ー転用】に秘められた力の大きさでもあります。
人生のコンパスを手に入れるための自己分析1000問ノックを進めている方も多いのではないかと思いますが、この記事の内容がその助けになれば幸いです。
長文を最後まで読んでいただきありがとうございました。
メモの魔力 The Magic of Memos (NewsPicks Book)