こんにちは、霧島もとみです。
3000文字チャレンジも記念すべき1年目を迎えました。
3000文字チャレンジ!第52弾!【ゴール】
どうも!
3000文字チャレンジ。
キターーー!52回目!
これにて丸1年!今回のテーマは『ゴール』です!
以下のルール見てね↓↓↓↓↓
— 3000文字チャレンジ公式アカウント (@challenge_3000) November 28, 2019
お題はゴール。
人生のゴールなど壮大な内容も書くことができる無限大なお題ですが、ここはあえて…という訳ではありませんが、なんの含蓄もないネタ記事で勝負したいと思います!
時間を無駄にしてもいいよという方は、ぜひご覧ください。
「ゴールに賭ける男」
「よし。東京オリンピックのマラソンコースも正式に決まったことだし、練習に励むとするか」
…はい、恭也コーチ。今日もよろしくお願いします。
「よし。じゃあ練習の前に確認だが、お前はマラソンで一番大事なことが何か分かってるか?」
…マラソンで一番大事なことですか?
「そうだ!」
…スピードにスタミナ、乱れのないフォーム、心肺機能の強化とか、大事なことは山ほどあるけど、一番大事なことかあ。
「どうした分からないのか?」
…いや、分かってますよ。
「よし言ってみろ!」
…はい!ズバリ気持ちです!諦めずに走り切る気持ち。全てを出しきる気持ち。絶対に勝つという強い気持ち!一番大事なことはこれです!
「ば、馬鹿野郎!何が気持ちだああああああ!!」
…えっ!違うんですか!?
「ち〜が〜う〜だ〜ろ!!」
…どっかの元議員みたいな言い方、やめてください。
「全く。お前はマラソンのソの字も分かってなかったのか」
…それ、まあまあ知ってる感じですけど。
「まあいい。教えてやろう」
…はい。お願いします。
「いいか。マラソンで一番大事なことは、ゴールだ」
…ゴ、ゴール??
「そう。ゴールを切るその瞬間をどうやって迎えるか。これが一番大事なことで間違いない」
…そんなこと初めて聞きましたよ。
「そりゃそうだ。今、思い付いたからな」
…今かよ!あ、いや、今ですか。
「そうだ。だが正しいぞ。マラソンで一番大事なことは、ゴールなんだ」
…やっぱりよく分からないんで、教えてもらっていいですか。
「うむ。いいだろう。それでは、教えて下さい恭也コーチと言え」
…うわっ、ウザい。
「ん?何か言ったか?」
…いえ、教えて下さい恭也コーチ。
「いいか。考えてみろ。仮にお前がマラソンで優勝したとしてだな、テレビで見ている視聴者に一番印象に残るのはどこのシーンだと思う?」
…そりゃまあ、どんなレースかによるとも思いますけど、勝負を賭けたスパートのシーンとか、先頭集団で競り合うところとか、苦しみに耐えて必死に走る姿とか、レース中の見せ場なシーンじゃないですか?
「フッ。甘いな。甘すぎる」
…えー、違いますか?
「やっぱ分かってないな。それはな、レースの最初から最後までテレビ中継を見て楽しむ、かなりマニアックな人の話だ」
…マ、マニアック?
「そりゃお前はマラソンが好きだからな。そういう所が印象に残るのかもしれない。でもな、それはほんの一握りの、ガチャでも出てこない超レアレアな存在だ。
考えてもみろ。渋谷でタピってる若者たちが街頭テレビでマラソンに釘付けなの、見たことあるか?」
…てか、街頭テレビなんてそうそう見ないですけど。
「まず間違いなく彼らがマラソンを目にするとしたら、ネットニュースだ。そこには写真か動画か、いずれにしても写るヴィジュアルはほんのわずかなものだ」
…あっ、なるほど。
「分かったか。つまりそこで使われるのが、ゴールの瞬間の映像なんだよ。または写真。そういうことだ」
…なるほどですねコーチ。
「だからマラソンで一番大事なのはゴールなんだ。その瞬間しか見ない人が!この勝利はこんなに価値があるんだ!厳しいレースに耐えて執念を爆発させて、ウンコも我慢して走りきったんだねって思えるような、そんなゴールにしなきゃ駄目なんだよ」
…ウンコは関係ないと思いますけどね。ゴールの大切さは何だか分かった気がします。フワフワっと。
「フワフワっととは何だ!」
…いえ!よく分かりました。
「ならいい」
…ありがとうございます。
「よし。そしたら今日は、ゴールの練習をするぞ」
…ゴ、ゴールの練習!?
「そうだ。ゴールの練習だ」
…なんでゴールの練習?ていうか、どういう練習するんですか?
「なんだお前、ゴールの大事さがまだ分からないのか」
…いやそれは分かりましたけど。
「だったらツベコベ言わずにやれ。とりあえず、ここでゴールしてみろ」
…ゴールしてみろって言われても。
「いいからやるんだよ!さあ42.195kmを先頭で走りきって、最後のストレートをいま終えようとしています!」
…はい。ゴ、ゴールゥ…。
「バカ野郎!なんだそのフニャフニャに気の抜けたゴールは!」
…そう言われても。急には無理ですよ。
「いいか。ゴールは瞬間の芸術なんだ」
…瞬間の芸術?なんかカッコいい。
「そうだ。ゴールという瞬間に、レースの全てを凝縮しなきゃならないんだ。ゴールというナノ・セカンドに42.195kmの、2時間のドラマを閉じ込めて表現しなきゃならない、果てしない芸術なんだよ」
…何か分かってきましたよ、コーチ。俺に究極のゴールを教えて下さい!
「分かってくれたか。では、教えて下さい恭也コーチと言え!」
…うわっ、またウザい。
「何か言ったか?」
…いえ。教えて下さい恭也コーチ。
「よし。まずは、表情だ。何より印象に残るのが選手の表情だからな。まずは全力でやってみろ」
…こ、こうですか?(く、苦しみに耐えてゴールしたぞ…俺!!)
「全然ダメだな」
…ハァハァ、駄目ですか。
「なんか頑張った感だけをアピールされてもなあ。それじゃレースの感動は伝わってこないんだよなあ」
…む、難しいっすね。
「よし。まあベースはそれでいいとして、やっぱり素直な喜びの表情が欲しいな。レースに勝った時の、歓喜の爆発は見てても清々しいだろ。それを顔の右半分で表現するんだ」
…み、右半分?じゃあ左側は?
「さっきの苦しみの表情だよ」
…で、出来ますかね?
「出来る出来ないじゃない、やるかやらないかだ」
…わ、分かりました。えっと…ゴ、ゴールゥゥゥ!!(苦しんだけど、やっぱり勝って最高に嬉しい…!!)
「おおかなり良くなったぞ。やればできるじゃないか」
…ハァハァ、ありがとうございます!
「でも何か物足りないなあ」
…えっ?何がですか?
「マラソンってそれだけかなあ。例えばライバルと競り合った時の緊張感とか、そんなのもあるよなあ」
…まあ、ありますかね。
「よしっ!さっきの表情に加えて、今度は左目で、ライバルとの激しい戦いを表現するんだ!」
…ひ、左目で表現?どうやるんですか?
「あの激しかった戦いの瞬間を思い出すんだよ!」
…ハァハァ…あの激しかった戦いの…瞬間…
「そうだいいぞ」
…思い出した!こうだ!(左目クワッ!!)
「凄いじゃないか!あとはハイ!苦しみと歓喜の表情!」
…えっと、ゴ、ゴールゥゥゥ!!(左目クワッ!苦しんだけどやっぱり勝って最高に嬉しい…!!)
「よし!いいぞ!でも何か、足りないなあ」
…ハァハァ、えっ、何がですか。
「レースに賭ける思いが見えないんだよ。お前がどれだけのものを犠牲にしてこのレースに臨んだのか。その物語こそが、視聴者が求めてるものじゃないかって気がする」
…確かに物語って大事っすね。
「よし!そのお前の物語を、顎の歪みで表現するんだ!」
…あ、顎ですか?
「そうだよ。ゴールの瞬間に言いたいことがあるはずだ。語りたい物語があるはずだ。だけど言えない。語れない。そのもどかしさの魂を、顎の歪みに乗せきってみろ!」
…なるほど、分かりました…!
「よし、やってみろ!」
…顎クワッ!!(ボンバイエ!!)
「い〜〜じゃないか!やれば出来るは魔法の言葉だな!」
…ありがとうございます!
「よし、そこに今までの表情を乗せてゴールだ!」
…はいっ!ゴ、ゴールゥゥゥゥゥゥ!!(顎ボンバイエ!左目クワッ!苦しんだけどやっぱり勝って最高に嬉しい…!!)
「いいぞおお!だがあと何か一つ足りないな」
…えっ、あと一つ…?もう顔面筋肉が崩壊しそうなんですけど…。
「何が足りないのかなあ」
…ハァハァ、もう十分じゃないですかね。
「そうか分かったぞ。愛だ。マラソンという競技に全てを捧げた無償の愛が見えないんだ。だから感動が仕上がらないんだよ」
…あ、愛ですか?
「そうだ!お前のマラソンへの愛を眉間に滾らせろ!その愛の前にきっと視聴者は果てしない感動を受け取るだろう!」
…眉間に愛…。
「さあやってみるんだ!」
…わ、分かりました…。眉間に愛…。お、俺は、マラソンが大好きだあっ。愛してるんだあっ。この身の全てをお前に捧ぐ!受けとってくれえええ!!(眉間パァァッ!!)
「それだよそれ!さあ完成だ!
お前の全てを見せてみろ!」
…えっ、どうだったっけ、えっとえっと、よし!これが俺の究極のゴールだ!見ろおおおぉ!!
ゴ、ゴールゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥ!!(顎ボンバイエ!左目クワッ!苦しんだけどやっぱり勝って最高に嬉しい…!!そして愛を受け取れ眉間パァァッ!!)
「よーし完成だ!」
…あ、ありがとうございます!これが究極のゴールなんですね!
「その通り。じゃあ後は、マラソンに出れる走りを身にをつけるだけだな。まずは持久走1.5kmで10分を切るところから始めようか」
…って、ゴール以前の問題やないかい!
もうええわ!
最後までお付き合いいただきありがとうございました。
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