霧島もとみです。
現在【彼女いない歴28年の僕が非モテを語ろう】の記事を書いていますが、少し脱線して、大学時代の僕の痛い非モテ自爆行動をご紹介しようと思います。
本編に書くにはちょっと長いのと、
話が横筋に逸れそうなので、別の記事で書くことにしました。
大学時代、非モテ世界で自分自身を追い詰めた僕は、高校の同級生だった女友達に対して、
「僕のことを好きじゃないのなら思わせぶりな言動をするな」という手紙を書いて送りました。
超絶に痛い行動だと思いますが、どうでしょうか?
幸か不幸か、ポストに投函した後に我に返り、未開封で返送してもらえたため問題にはなりませんでしたが・・・。
もし手紙を読まれていたら、「なにこれ怖っ!!気持ち悪っ!!」と縁を切られる事件だったと思います。
思い詰められるとこんなバカなことをするのか・・・
非モテってバカなんだな・・・
駄目な僕の姿を笑っていただき、思い詰めてバカなことをしない教訓としていただけたら幸いです。
僕と彼女の関係について
彼女とは中学校3年生の時、同じクラスになったことで知り合いました。
彼女は穏やかな性格で落ち着きがある、いわゆる「優等生」で、3年のクラスでは学級委員長を務めていました。
(※以下では彼女のことを「委員長」と呼びます)
僕も彼女に負けず優等生だったため話が合うことも多く、割と早い時期に打ち解けていたと思います。学校で良く話す、仲の良い友達という関係でした。
僕はこのときはまだ彼女に恋愛感情を持っていなかったと思いますが、
「私、◯◯くんのことが一番好きなんだ。もとみくんは2番目に好き」・・・①
という良く分からない打ち明け話を急にされたことが記憶に残っています。
さて、中学校卒業後、僕と委員長は同じ高校に進学しました。
1年生の時は同じクラスでしたが、それから後は特に接点はありませんでした。
学校で会えば話すといったくらいだったと思います。
彼女は中学校で「一番好き」と言っていた◯◯くんと付き合っていて、僕自身も彼女に強い興味は持っていなかったので、そっけない感じだったと思います。彼女についての記憶はほとんど残っていません。
ところが大学受験を控えた高校3年生の冬のことでした。
たまたま通路で会った時、委員長が僕に話しかけてきました。
「もとみくんって大学どこ受けるの?」
「第一志望は東京工業大学だけど」
「私も東京の大学受けるんだ。一緒に行けたらいいね」・・・②
たったこれだけの会話でした。
しかし、「一緒に行けたらいいね」という言葉の不意打ちに僕の非モテ心がかなり揺さぶられたことを覚えています。
その後、僕は第一志望校は不合格となり、第二志望の大学へと進学しました。
委員長は浪人し、寮生活で予備校へ通うことになりました。
それから細かい経緯は忘れましたが、僕と委員長は連絡先を交換し、手紙をやりとりしたり、電話で時々話をしたりするような関係になりました。
僕の心がゆらぎ始めた
【第2章 こうして僕は非モテになった】で少し触れたように、僕の大学生活はほぼ男子校でした。
- 学科約120人中、女子が2名
周りに女子はほとんどおらず、いたとしても女性恐怖症で積極的に関わることもできず、僕の非モテ精神は一方的に悪化していきました。
実家から遠く離れた生活で、心細さもあったのだと思います。
そんな中、僕は委員長と手紙をやりとりしていました。
当時の僕が唯一接点を持つ女子が、手紙の向こうの委員長でした。
当時はインターネットがまだ普及していませんでしたので、正真正銘、紙の手紙です。
この「手紙」の威力に、僕は心を揺らされました。
手紙って凄い威力があるんですよ。例えばこんな事です。
- 字が綺麗
- 字がかわいい
- 女子の言葉遣い
- 手を通して伝わってくる存在感
- 無くならない
手紙という材料をもとに、僕はどんどん彼女に対する想像を膨らませていきました。
頭の中の委員長がどんどん気になって思えてきました。
「あれ・・・委員長って、そういえばかわいいし、性格もすごく良いよな?」
非モテ生活の暗黒も手伝ってか、気が付けば僕は、彼女のことを友達以上に意識するようになっていました。
つまり、好きになったんですね。
さあ、痛いのはここからです。
思い詰めてMAX、そして手紙を書いた
僕の妄想が始まった
いくら僕が非モテでも、女子を好きになること自体は痛い行動ではありません。
ごくごく当たり前で、普通のことです。
非モテだって人間だもの。
僕が「痛さ」を発揮したのは、彼女への想いの膨らませ方でした。
こんな風に・・・
・限られた情報を材料にして彼女の人物像を想像した
・自分の考えをベースにして解釈していった
・解釈の答え合わせをしないまま、悩み続けた
つまりどういうことかというと、
中学校〜高校までの委員長と交わした会話や、やりとりしていた手紙や電話の限られた情報から「委員長が僕のことを好きなのかどうか」についてひたすら妄想していた
ということです。
例えばこれまでに出てきた委員長との会話で、
①「私、◯◯くんのことが一番好きなんだ。もとみくんは2番目に好き」
→◯◯くんとは別れた(※彼女から聞かされた)から、今は僕のことを一番に好きなのかもしれない。
②「私も東京の大学受けるんだ。一緒に行けたらいいね」
→遠回しな告白だったの?
細かいことは忘れましたが、この他にも僕のことをちょっと持ち上げるような会話があったことを思い出しては「あれも僕のことを好きだっていうサインだったのかも・・・」と考えてました。
普通の精神状態で考えたら日常会話の「へー、すごいね」という相槌レベルの話ですが、当時の僕には意味があるように思えていたんですね。
そして総合的な仮説(妄想)として
「委員長は僕のことが好きなのかも」
「僕にもついに彼女が出来るかも」
ということを結論付けました。
答え合わせをしない妄想が迷走し始めた
既にこの時点でまあまあ痛いのですが、僕がさらに痛かったのは、自分の妄想の「答え合わせ」をしなかったことです。
さっさと電話でもして話せばよかったんですよね。
でも当時の僕はそんな事はしませんでした。というより、出来ませんでした。
なぜかと言うと、自分の気持ちを知られることが怖かったからです。
- 僕のことを好きじゃ無かったらどうしよう。
- 僕の考えた事が間違っていたらどうしよう。
- そもそも彼女が僕のことを好きになる理由なんて無いはずじゃないか?
でも一方では、付き合いたい、彼女の気持ちを知りたいという考えも強くありました。しかし具体的な行動は怖くて出来ない。
僕は、その狭間でひたすら悩んで悩みまくる日々を過ごすようになりました。
答え合わせをしない妄想が完全に迷走していました。
それは苦しみに満ちた時間でした。
そのうちに僕はこう考えるようになったんです。
なぜ僕はこんなに苦しんでいるんだろう?
それは、僕が彼女のことを好きになったからだ。
なぜ僕は彼女のことを好きになったんだろう?
それは、彼女が僕に思わせぶりな素振りをしたからだ。
つまり、
僕がいま苦しんでいるのは、彼女が僕に思わせぶりな言動をしたからだ
・・・・・・
どうでしょうか。
だいぶ痛くなってきたと思います。もはや「病んでる」が正解かもしれません。
そして僕は行動を起こしました。
感情が高ぶったある日の夜、彼女が僕を好きかどうかの答え合わせを・・・ではなく、彼女の振る舞いを非難する手紙を書いて送ったんです。
「思わせぶりな言動は止めて欲しい!」という手紙
普通サイズの便箋、3枚分くらいの量だったと思います。
- 僕はいまとても苦しんでいる
- それは委員長のことを好きになったからだ
- 僕を好きなのかどうか、はっきりして欲しい
- 僕を好きじゃないのなら、なぜ過去にあんな思わせぶりなことを言ったのか?
- 過去の事例、過去の事例、過去の事例、過去の事例・・・
- 思わせぶりな言動は止めて欲しい!
思い出すだけでぞっとする内容です。痛い。ただ痛い。
こんな内容の手紙を、僕は過熱した激情にまかせて一気呵成に書き上げました。
書き上げると、すぐにそのまま、手紙をポストに投函しました。
家に帰るとすぐ布団に飛び込みました。
悔しさや苦しさ、人恋しさなどの数えきれない感情がが激しく混ざった状態で、嗚咽しながらその夜を過ごしたように思います。
そして気が付かないうちに眠りにつきました。
翌朝僕が目を覚ますと、睡眠を取った効果なのか、感情を吐き出したからなのか、昨日とはがらっと変わってスッキリした気分になっていました。
よく寝たなあ・・・。
しばらく寝起きにまかせてぼおっとしていました。
その時、ふと、昨日の激情の記憶が沸き起こってきました。
書いた手紙の内容も。
僕は急に我に返りました。全身から血の気がサーッと引く音が聞こえてきました。
「とんでもないことをしてしまったのでは・・・?」
僕はこのとき、大きな間違いをしたことに自分で気が付いたのです。
・なんて馬鹿な手紙を送ってしまったんだ。
・非モテの妄想を彼女にぶつけてどうする!俺!
・手紙を読まれたら友達関係は終わる。
・それどころか危険人物扱いだ。。。
しかし後悔先に立たず。
手紙はもう投函してしまっていました。配達を止めるなんて出来る訳はない。
どうすればいいんだ・・・。
その時、アイデアが閃きました。
そうだ!
委員長に連絡して、届いた手紙を開かないようにお願いすればいいんだ!
緊急ミッション発動「手紙を開封させるな!」
ミッション1:委員長に電話する→失敗
当時はまだ携帯電話が普及する前だったので、電話といっても固定電話です。
電話は家に1個だけの時代でした。
幸い彼女は予備校で寮生活をしていて、電話を備えた個室だったので、そこに電話を掛けることができました。
僕は早速、時間を見計らって、委員長に電話しました。
しかし、いつもの「プルルルル・・・」という呼び出し音は聞こえてきませんでした。
話し中でもない。聞いたことのない、良く分からない音が聞こえてはくるのですが、一向につながりませんでした。
そして、何回かけても繋がらない。
時間だけが過ぎていく状況に、僕はめちゃくちゃ焦りました。
このままじゃ連絡出来ない、手紙が開封されてしまう・・・。
そこで僕は緊急手段を取りました。
委員長の実家に電話したのです。
ミッション2:委員長の実家に連絡する→失敗
電話には、彼女のお母さんが出ました。僕は怪しまれないよう、落ち着いて丁寧に話しました。
「委員長さんの高校の同級生の、霧島もとみです。委員長さんに連絡したいことがあって電話していたのですが、電話の呼び出し音が鳴らなくて、繋がりませんでした。
何かあったのかと心配になったので、家の方に掛けてみました。何か聞いていますか?」
そうすると、お母さんからこんな話が聞けました。
- 委員長の電話は、電話線を抜いて使えないようにしている。
- 電話が繋がらないのはそれが理由
- いたずら電話がかかってくるようになったので、その対策
また、急ぎの用事?と聞かれたので「大丈夫ならいいです、安心しました」とだけ伝えて、電話を切りました。
いやいや、全然大丈夫じゃないよ。
手紙届いちゃうって、開けられちゃうって!
ちなみに僕は非モテですが、いたずら電話はしたことはありません。
(※お母さんの話に出た「いたずら電話」は誓って僕ではありません!!)
何かないのか。
何か他に、委員長に伝える方法はないのか。
僕は必死に考えました。
例えば「速達で送る」。
手紙は普通郵便で送ったので、おそらく2〜3日で届く。速達ならその前に届く可能性が高いため、それに「手紙を開けないで」と書く方法です。
ダメだ!不確実過ぎる!!
最終的に僕が取った方法は、
「同じ寮の違う部屋に電話をかけて、彼女につないでもらう」
という奇策でした。
ミッション3:知らない電話番号に連絡する→成功!
もちろん違う部屋の電話番号なんて知りません。ですが、彼女が住んでいたのは大手予備校の女性寮。
僕はこう推理しました。
- 他の部屋も電話がある可能性が高い
- 個人の電話じゃなく寮の電話なら、ひょっとすると、電話番号も近いかもしれない。
というか、他に方法は思いつかない。
僕はこの方法に賭けてみるしかありませんでした。
委員長の電話番号から1だけ増やした番号に、僕は祈りながらダイヤルしました。
頼む・・・誰か出てくれ・・・
そして同じ寮の人であってくれ・・・
数回のコールのあと、ガチャッという音に続いて
「もしもし?」
という声が聞こえてきました。
繋がった!!
僕は焦る気持ちを抑えながら、冷静に言葉を選んで話しました。
- ◯◯予備校の寮ですか?
- 同じ寮に委員長という名前の人はいますか?その人の高校の同級生です。
- 実は連絡を取りたくて電話したら、電話線が抜かれていて繋がらなかった。
- 急ぎの用事があるので、折返し電話をもらうように伝えてほしい
結果から言うと、僕の推理は正解で、彼女の隣の部屋へ電話がかかっていたのです。
そして幸運にも「今、隣にいるみたいだから呼びますよ」と言ってくれて、そのとおり電話口に委員長を呼んできてくれたのです。
やった!!!
僕は嬉しさが止まりませんでした。
僕は委員長に「手紙を間違って送ってしまった。悪いけど届いたら開封せずにそのまま返送して欲しい」とお願いしました。
返ってきた手紙、その後
彼女はこの意味不明なお願いをそのまま聞いてくれ、数日後、手紙は僕の手元に戻ってきました。
僕の手紙を開封しないまま、別の封筒にそのまま入れて、手紙も添えて送ってくれたんです。
委員長の真面目さと優しさに感謝しかありませんでした。
もしこの手紙が読まれていたらどうなったのか・・・。
僕は自分がやろうとしたことに改めて戦慄を覚えました。
さてその後、改めて僕は委員長に交際を申し込み、真正面からフラれました。
それからも友達としての付き合いは残り、今に至っています。
結婚したとか、子供ができたとか・・・つまらない事かもしれませんが、そういう便りがあることはそれなりに嬉しいものだと感じています。
つくづく、一時の激情・妄想にかられて行動することの無意味さ、危険さを痛感しています。
僕の非モテ行動からの教訓
この話で不思議に思うことは、激情にまかせた手紙を投函した翌日に
「頭がスッキリして、手紙を出すべきでなかったと後悔した」
ということです。
手紙を投函してから翌朝までの間に8時間も経っていません。
それなのになぜガラッと考え方が変わったのか?
この間に起きたことといえば、
- 溜めていた感情を手紙に吐き出した
- 時間が過ぎた
- 睡眠をとった
という事だけです。
逆に考えると、どんなに激情にかられたとしても、これらの行動を取れば落ち着いて冷静になれるということかも知れません。
・溜めている激情を誰にも迷惑のかからない安全な方法で吐き出して、寝る
・そして次の朝を迎えてみる
この状態でもう一度考えてみるのもいいかもしれません。
少なくとも一時の激情にかられて行動することは、本来の冷静な自分とは違った行動と結果を招くことは間違いないので、百害あって一利なしと言えるでしょう。
「激情に駆られている」というのは、言い換えると高いストレス状態にあるということです。
正常な判断が出来る状態ではないので、ヘルスケアの観点から見ても、まず休息を取って冷静な判断力を回復させるのが優先です。
ということで、僕の大学時代の非モテ・暴走行動から得られる教訓は次のことです。
・一時の激情にかられて行動することは危険
・溜めた感情は紙に書き出して、寝て、翌日冷静な自分でもう一度見てみる
・休息を取ることが回避方法にもなる
そしもう一つがこれです。
・限られた情報をもとに、自分の中だけで恋愛感情をふくらませることは無意味
予想よりも長い文章になってしまいました。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
僕の非モテをまとめた記事はこちらです。
▼彼女いない歴28年の僕が、僕の非モテを語ります。