第4章 非モテからの解放(2)ついに生まれて初めての彼女ができた

前回は非モテの僕が告白という大きな壁を超えるために女友達Yさんに相談したことを書きました。

Yさんは僕を優しい励ましの言葉で勇気付けてくれたあと、この非モテの僕に「告白したら、必ずその日にホテルに行くんだよ」という強烈な破壊力を持ったアドバイスをしてくれました。

女友達Yさんのアドバイス
・相手はきっともっちゃんのことを気に入っている。
・成功するから自信を持って。
・告白したら必ずその日にホテルに行く。

僕はこのアドバイスが正しいかどうかは全く分かりませんでしたが、Yさんへの信頼は僕の非モテ経験を遥かに凌駕していました。僕は迷いを捨ててアドバイスを実行すると決めました。

今回は、僕が「彼女いない歴=年齢」という非モテ人生をついに卒業する話を紹介します。

僕の非モテ経験を紹介する一連の記事は、一旦ここで終了となります。

どうぞよろしくお願いします。

「彼女いない歴28年の僕が非モテを語ろう」のコンセプト

その男は全くモテなかった。ヤラハタを余裕で通り過ぎ、「30歳までに彼女ができなかったら死のう」と思い詰めた苦悩の日々を過ごしていた。

 

彼女いない歴=年齢の日々をようやく抜け出したのは、28歳の時だった。

そんな男が、結婚して子供を授かり、今は何食わぬ顔をして家庭人を気取っている。そして、非モテのコンプレックスを抱えたまま生きている。

 

この物語は、そんな男の非モテな半生を振り返る物語だ

男が非モテに陥った理由や、そこで足掻いていた姿を見て笑ってほしい。

もしもあなたが同じように非モテにコンプレックスを持ち、苦しんでいるとしたら、男の無様に足掻いた姿が少しでも救いになれば幸いだ。

 

世界中の非モテ(自分含む)に幸あれ!

(2)ついに生まれて初めての彼女ができた

清水の舞台から飛び降りろ!

告白という壁を超えるために女友達のYさんに相談した結果、

「告白したその日にホテルに行く」

という突然なミッション・インポッシブルに挑むことになった僕がどうしたかというと、高揚していた。

Yさんに「もっちゃんなら成功するよ」と背中を押されたことや、告白したその日にホテルに行くという僕からすれば型破りなミッションに挑む期待感にワクワクしていた。

Yさんに相談した翌日、僕は2回のデートを重ねた女性・Aさんにさっそく電話した。次の誘いの話を切り出し、無事に3回目のアポを取ることができた。

そのアポ取りが極めて無事に成功したことに僕は興奮し、電話を切った後、軽くガッツポーズを取った。

よしっ・・・!!
いける・・・!!
万端じゃないか・・・!!

後は告白を実行に移すだけ・・・!!

そしてホテルに誘うだけ・・・!!

・・・

・・・

でもそれ・・・

どうやって誘うの??

そう考えた時、僕の興奮は急速に冷めていった。
不安と焦りが浮かんでくるのを感じていた。

そう。

ホテルに行くには、ホテルに誘わなければならない。

馬鹿みたいな話だけど、僕はこの時初めてそれに気が付き、震えた。

いわゆる武者震いではない。
単純な恐怖の震えだった。

告白はこれまでの人生で何度か経験があった。
全て失敗に終わってはいたけれど、告白という行為を体験したことには変わりはなかったので、ある程度想像も出来たし不安はなかった。

失敗の経験から「次は勇気を持って実行する」という覚悟も出来ていた。

けどホテルに誘うなんてことは全くの初体験で、全く想像が出来なかった。

どんな言葉で、どんなタイミングで、どんな表情で誘えばいいんだ…。

いくら考えても答えは出ない。
僕にとっては全く未知の体験だったからだ。

この時僕にとって唯一のヒントだったのは、友人Sの話だった。

Sはモテ世界の住人で、一見して真面目な優しい男のような雰囲気を持ちながら、ダブルヘッダーを余裕でこなすというツワモノだ。

そんな彼にかつて僕が聞いたことがあった。

 

「Sさあ、ホテルに行くとかって、どうやって誘ったりするん?」

「いや、普通にw。それじゃホテル行く?みたいなww」

「ええっ!?そんな軽くで大丈夫なん??」

「全然大丈夫ww」

「そういうもんなんか・・・」

 

僕はこの時、Sは凄い奴だと心の底から痺れていたことを思い出した。

同時にSの余裕そうな笑顔が思い浮かび、「そうだよな。案外何とかなるかもしれないよな」と考えているうちに、

案ずるよりも産むが安し。

清水の舞台から飛び降りろ!

そんな古いことわざが頭の中に浮かんできて、少しずつ気分が落ち着いてきた。

これが最後のチャンスだと思え。

あとは実行するだけだ。

そう何度も言い聞かせながら時間を過ごした。

告白の文書を何度も推敲して作り上げ、繰り返し読んで暗記した。
入社面接の練習さながらだったと思う。

そうして僕はいよいよ、3回目のデートの日を迎えた。

告白をすると決めたデート

3回目のデートプランはこんな感じだった。

観光ホテルのバイキングディナー

景色を一望できるロープウェー

ドライブ

夜景の綺麗な高台で告白

ホテルに誘う

たまたま地元の観光客向けホテルのバイキングディナーの券を貰っていたため、それをスタートにして計画を立てた。

地元の観光客向けホテルなんてまず行くことが無いため、逆に面白いかもしれないと思ったのがその理由だった。

それから「どこで告白をするか」を決め、女友達Yさんの助言に従い「告白の後はどのホテルに行くか」までを考えておいた。簡単なプランだったけど、全体の行動を想定したプランを決めておくことで随分と楽な気持ちになれた。

さあ、あとは実行するだけ。

 

バイキングディナー、ロープウェーで上った高台での時間を無難に過ごし、僕とAさんとはドライブに出かけた。

車で20~30分程走った後、予定通り夜景の綺麗な高台に到着して車を降りた。

この時点で僕はもう最高に緊張していたが、相手にそれを悟られないよう、平静に平静にと心を落ち着かせて何とか普通に振舞った。

時々臆病さが湧き起こり「やっぱり今日は止めようぜ」と逃げ出しそうな気持ちになったけれど、

・告白すると決めた
・ホテルに誘うと決めた

という自分自身の決意に必死にしがみついて僕はなんとか耐えていた。

 

しばらく夜景を眺めた後、僕たちは車に戻った。

さあ、その時が来た。
僕は覚悟を決めた・・・というか、

もうなるようにしかならない

という開き直りにも似た心境になり、僕はついに清水の舞台から飛び降りた。

清水の舞台から飛び降りる

「今日はありがとう。楽しかった」

と僕は何の変哲もない言葉で会話を切りだし、勢いのままに続けた。

・Aさんと過ごした時間が楽しかったこと
・Aさんの素敵だと思う行動や考え方
・それに対する僕の感想
・時間を一緒に過ごしたいという僕の希望

Aさんは相槌を入れながら話を聞いてくれていた・・・と思う。

僕はかつてない緊張と、決意の衝動と、平静を装わないとダメだという自制心とがミックスされて完全に舞い上がり、極限状態にあった。

思考が定まらず、記憶も曖昧で正直よく覚えていない。

繰り返し練習した事前のリハーサルを頼りに話を続け、そして僕は、彼女いない歴28年の28歳の非モテ男は、最後の問いかけに辿りついた

「だから、僕と付き合って欲しい」

続いて「どう?」と聞いたとき、Aさんから答えが返ってきた。

「うん。いいよ」

・・・・・・・

うん。

いいよ。

何度もその言葉が頭の中でリフレインした。

同時に「マジか!!」「やった!!」「嘘じゃないのか!!」「Aさんが彼女に!!」などと色々な叫びが脳内で湧き起こり、僕の緊張は頂点に達した。

僕は努めてさわやかに振舞いながら「ありがとう」的なことを言ったと思う。

そして「手を握っていい?」「キスしていい?」と一々Aさんに聞きながら行動するといういかにも女性経験ありませんという姿を無様に露呈しながら、それでも必死に、僕は一つずつ階段を登って行った。

 

しかしまだ冒険は終わらなかった。

僕には女友達のYさんから告げられた、

「告白したら、必ずその日にホテルに行くんだよ」

というミッションが残っていた。

女友達Yさんのアドバイスを実行

すでに極度の緊張と解放、彼女いない歴28年が終わったという歓喜とで100%テンパっていた僕には、Yさんのアドバイスは従うべき全てという存在になっていた。

だけどこれは難題だった。

ホテルに誘うなんて全く未経験で、どれだけ考えても「こうすればOK」という答えが見つからなかったからだ。

だから何のリハーサルも、誘う言葉の用意すらも出来ていなかった。

しかしミッションは実行しなければならない。
その時は今しかない。

車中でAさんとの時間を過ごしながら、僕はどうやってこのミッションに挑むべきか、ひたすら考えていた。

そんな僕が最終的に頼りにしたのはやっぱり友人のアドバイスで、

「いや、普通にw。それじゃホテル行く?みたいなww」

というモテ世界の住人Sの言葉だった。

 

その時突然、Sが僕に憑依した(ような言動を僕がした)。

「そうだ。ホテル行かない?」

 

突然のジョジョの奇妙な冒険的な表現で誠に恐縮だけど、

この時僕はDIOのザ・ワールドのように時が止まった世界を見た気がしたし、ディアブロのキング・クリムゾンでこの時を消し飛ばしたいという衝動に駆られた。

やばい。
やっちまった・・・。

しかしAさんは笑いながら「えっ。いきなりホテルはちょっと」と冷静に答えた。

僕は「だよね」と相槌を打ち、何とかその場をごまかしたように思う。
このあたり記憶の一部が極限の心理状態により消えていて思い出せないけど、多分勢いにまかせてウヤムヤにしたんだと思う。

 

しかしそれでもこの日の僕は負けなかった。

というかYさんのアドバイスを実行するという決意にただ従っていた。

決意とは、決めること。決めたことをひたむきに実行すること!

少し経ってから、何か前置きの言葉を置いたあと、僕はまた懲りずに聞いた。

「ホテル行かない?」

Aさんの返事はこうだった。

「えっ・・・うん、いいよ」

何がどうなったのかは全く分からない。

僕はYさんの助言だけを頼りにホテルに誘うという行動に出て、一度は断られたものの、二度目には提案が受け入れられてホテルに行くことになった。

僕は予想を超えた展開が現実のものになったことに気を動転させながらも、僕は車を発進させ、候補に挙げていたホテルへと移動した。

そうして僕は彼女いない歴=年齢=28年に別れを告げたその日に、

童貞というもうひとつの非モテの看板を降ろすことになった。

怒涛のような1日だった。

僕はYさんの助言に従うことで、告白という壁を乗り越えただけでなく、ホテルに行くことまでも達成した。

清水の舞台から飛び降りることに成功したのだった。

Yさん。
ありがとう。

 

翌日、僕はYさんに喜びと感動の電話を入れた。

「もっちゃん、良かったね」

Yさんの嬉しそうな声を聞いたとき、僕は改めて実感した。

僕は、ついに、生まれて初めての彼女という存在を得たんだと。

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