こんにちは、霧島もとみです。
麻野耕司さんの「すべての組織は変えられる〜好調な企業はなぜ『ヒト』に投資するのか」を紹介させていただきます。
麻野耕司さんは㈱リンクアンドモチベーション執行役員で、組織変革を手掛けている方です。最近では「THE TEAM 5つの法則 (NewsPicks Book)」を出版し、この本も売れているみたいですね。
さて、私自身も組織に所属しています。
その立場から少し背伸びして組織を俯瞰して見た時に、
・組織運営は上手くいっているのだろうか?
・歪みが生じてないだろうか?
・戦略や理念は現場で機能しているのだろうか?
そんな疑問、感覚のようなものを感じていました。
この本は、そんな私が組織に対して新しい視点を持ち、なによりそこで働く「人間」に意識を向けるという考えを持つきっかけになる…そんな期待をもたせてくれた本でした。
まだ一読したばかりですが、この本から得られたことや感想をまとめました。
強く印象に残った3つのこと
「何をやるか」ではなく「誰がやるか」で勝負が決まる時代
ハードからソフトへの移行・商品の短サイクル化により「次々にヒット商品を売り出せる組織」が強い、というのが著者の説明です。
つまり「何をやるか」ではなく「誰がやるか」で勝負が決まる時代であり、そこで勝つためには「ヒト」を獲得することが必要。
そのためには労働市場で勝ち抜くことの重要性が高まっているという指摘がされていて、そこに勝てる組織をどうすれば作れるのか…を前提として論じています。
労働市場で勝ち抜くことの重要性。
確かに労働市場で勝ち抜かなければ、優秀な人材はそもそも組織に入ってこないわけです。
言われて見れば当たり前のことですが、採用担当者でなくとも、組織を考えた時にこの視点は必要不可欠だと感じました。
モチベーションの4つのタイプ
人間は限定合理的であるという視点のもと、感情によって動くと書かれています。
感情が動かなければヒトは動かない。100の戦略も100で動かない。
じゃあ感情をどうやって動かしていくか…ということが幾つか具体的に書かれています。その中で「おっ」と思ったのが、モチベーションの4つのタイプです。
・アタック
・レシーブ
・フィーリング
・シンキング
次の図解で紹介されています。
自分や周囲の人間に当てはめて考えてみると「確かにそうだな」と思えました。
例えば私は「シンキング」タイプが強いと思います。確かに「正しい」と言われるとモチベーションが上がりがちでした。
組織の他のメンバーはどのタイプか。よく観察してみて、関わり方を考えてみるとどうだろう?そう考えると何かが変わってくるような、面白いような、そんな気がしてきました。
組織を人ではなく間から見つめる
組織にいる人を個の集合として考えるのが従来の組織論だとしたら、この本では「人と人の間」つまり関係性が組織の大事な点だと書いています。
人数が5人いたとして「1+1+1+1+1=5」ではなく、関係性によってこれが2になったり8になったりするという考え方です。
そのためにはコミュニケーションが重要であり、それも一律ではなくそれぞれの関係性に合わせたコミュニケーションをすることが大事だと。
「俺のやり方はこうだから、これで行く」
自分の組織を振り返るとよく見かけた光景な気がします。
本書にあるように関係性を大事にすることで、変わっていくように思えました。
感想:自分はどう活用するか?
本書にマネジメントの要諦として繰り返し書かれているのが、
「何が正しいか?」ではなく「どうすればうまくいくか?」を常に探り実行していくことの重要性です。
組織、つまりそこで働く人がどうすれば仕事に意義を感じて力を発揮できるか。
そのためにリーダーは何をしていくべきなのか。
これまでの経験則だけに頼り切ることなく、目の前で共に働く人間と向き合って「どうすればうまくいくか?」を考えていきたいと思います。
強く印象の残った3つのことのほか、本書をよく読み込み、一つの指針にしたいと思える本でした。
本書の最後に書かれている「日本の組織づくり、人づくりが世界を引っ張る時代は、必ず、やってきます。」という一文に希望を感じながら、出来ることからやっていこうと思います。
組織の中で仕事をしている方は読むと何か感じるものがあるでしょう。
2時間もあればざっと目を通すことができます。
いい体験になりました。
追記:同じく麻野耕司さんの「THE TEAM 5つの法則」の書評記事を追加しました。
【書評】「THE TEAM 5つの法則」は強いチームをつくるための戦術書!