【映画評】狂武蔵~アクションへの挑戦状はマニアックに面白い!~

霧島もとみです。

ウェイブマスター・坂口拓主演の映画「狂武蔵」を見ました。

77分ワンカット!
開始5分で骨折!
武蔵1人VS吉岡一門400人の死闘!

というようにリアルアクションを売りにした剣豪アクション映画です。


坂口拓さんのYouTubeチャンネル「狂武蔵たくちゃんねる」でその存在を知り、レンタル開始になったので見てみたのですが、

凄いのか凄くないのか、

面白いのか面白くないのか、

映画としてアリなのかナシなのか、

「これは一体どういう映画なんだ!?」

という超絶に複雑な心情になった後、

やっぱりこれは…面白い。

という感想に至った不思議な映画、そして凄い映画でした

ていうか一見で消化は絶対に無理。

私レベルの映画鑑賞力・アクション力ごときでは繰り返し見て初めて「おお…」と唸ることができる、まさに、観る人への挑戦状的な映画だと言えるでしょう。

というわけでこの記事では映画「狂武蔵」について、私が感じたことを簡単に紹介させていただきます。

映画「狂武蔵」が気になっている方や、見たけど何かモヤモヤした!という方の参考になれば嬉しいです。

ちなみに

「うわっ!凄いアクションで最高に楽しかった!スカッとした!!」というエンタメアクションを求める人には絶対に向かない映画なので、ある種の覚悟、いや探究心と挑戦心をもって見ることをおすすめします。

「ゾンビ映画」という酷評はその通り!?「狂武蔵」の初見で思ったこと

「狂武蔵」のネット上の評価では、「ゾンビ映画」「つまらない」という酷評が目に付きます。

そして残念ながら「この映画、面白くないよ」という声が多いようです。

宮本武蔵の映画でゾンビ映画?どうせアンチが適当なことを言ってるだけだろう…と思った私が間違いでした。

ある意味で「ゾンビ映画」という評価は的を得ています。

「77分ワンカット」

「1人VS400人」

という挑戦的内容が仇となったのか、酷評されても仕方がない一面が「狂武蔵」には確かにありました。

たとえば、初見で、サクッと次の3点が気になりました。

その1:斬られた敵の挙動がヘン

  • 斬られた後、「うわ~斬られた~」的に走って画面から消える。
  • 斬られた後、倒れているところを味方が画面外に連れ出す
  • その後何事もなかったかのようにまた現れては、斬られる(以下繰り返し)

斬っても斬っても復活してくる吉岡勢の侍たちはまさにゾンビのよう。「あっ、この人さっきも斬られてた」と気づいてしまうと、もう最後。急に現実世界に引き戻されてしまいます。

400人という人数を用意することが難しいゆえの苦肉の策なのでしょう。

ワンカットでそこがモロに出てしまったのか、とりあえず初見ではメチャクチャ目立ちまして、ゾンビ映画と言われてもしょうがないのかなと思いました。

その2:1VS400人、77分ワンカットゆえの冗長さが気になる

  • 次々と続く戦闘に飽きちゃう
  • 同じ構図が続く絵面に飽きちゃう
  • 攻撃パターンがコンパクト&単調で飽きちゃう

リアルを追求しているのは分かるんですよ。

400人相手の合戦では疲労を極力抑えなきゃならないから、動きがコンパクトになるのは必然です。でも、映画としては画が単純に見えてしまって、どうしても飽きがきてしまう。

そこに「77分ワンカット」による構図の単純さが輪をかけて飽きさせる。

出演者は生きるか死ぬかなんで飽きる訳はないんですけど、観る側としてはエアコン効かせてソファーに座り「さあ、どんな風に楽しませてくれるんだ」と待ち構えている訳で、ここにものすごい温度差があるんですよね。

これも正直キツイところだと思いました。

その3:不思議な画面演出に苦笑い?

  • 斬られた時の出血があったりなかったり
  • 空が白いままで突然降り出す豪雨
  • ちょっと離れたらもう濡れてない地面

画面に飽きてくると、次々と不自然なところが気になってきます

心理的に距離を置いて見てしまうからでしょうね。普段なら全然に気にならないところに、つい目が行ってしまうんですよ。

そして目がいくとそこばかりが気になってしまう。「なんでやねん!」と映画を見ているのにツッコミを入れたくなってしまう私。

アクション以外の細部にももう少しこだわって貰ったら良かったのに…と思ってしまいます。

 

ということで気になった3点を紹介しました。

ここだけを見てしまうと本当に「ゾンビ映画」「つまらない」で終わってしまいます。

ですが私は「面白い映画だった!」という感想を持つに至りました。

ということで次は「狂武蔵」の面白い点を紹介させていただきます。

映画「狂武蔵」が面白かったと言い切れる理由3つ!

一見して「つまらないゾンビ映画」と思われてしまうかもしれない「狂武蔵」。

しかし私は「面白い映画だった!」と言い切れます。

その理由3つを紹介させていただきます。では行きます!

その1:何と言ってもアクションが面白い

何が面白いって、アクションが面白いんです。

派手というよりも地味な、無駄のない動き。もちろんワイヤーアクションなんてものはなく、人VS人がただひたすらに斬り合うというアクションが、

実に面白く、そして凄い。

画としては本当に地味です。でもそれは当たり前。だって400人を斬り抜ける戦いですから、体力を極限に温存しなければなりません。

そのためにはどうするか?

コンパクトな動きで相手を制し、一撃のもとに倒していくことが求められます。

これを本当に徹底しています。

無駄のない体捌き、剣捌きを見せ続ける主演・坂口拓のアクションは本当に凄いもので、「これは面白い…」と唸らさせるものでした。

また、序盤、中盤、終盤と疲労度が蓄積するにしたがって動きが変わってくるのも面白い。余裕のある序盤、追い込まれ感がある中盤、何か壁を突き破ったように動きが大きくなる終盤。

疲労の極みにある終盤のはずなのに動きが大きくなり、軽々と刀を振り回す姿は圧巻です。

坂口さんは「途中で体の使い方が分かってきた」というようなことを動画で話していたように思いますが、これを踏まえることで、中盤以降のアクションをさらに面白く見ることができました。

その2:疲労感の極みが面白い

ワンカット77分が何を意味するか。それは、

アクションの途中で休憩が挟めないことです。

もう想像するだけで怖い。背中に冷たいものを感じる面白さが存在します。

普通のアクションではなく、木製の刀を振り続けるアクションですよ?それに実際に斬るんじゃなく、怪我をさせないために、振った刀を自分自身の力で止めなきゃならない訳で、腕の筋肉なんてすぐにパンパンになるはずです

それを77分も続ける…

ここに想像を膨らませると更に面白くなります。

途中で隠れて休憩するシーンで、隠していた竹筒で水を飲むところがあるんですが、これがまあ本当に必死な姿で痺れます。飲むというか、ブハアッと喉を濡らすという感じでしょうか。

ここで、おいおい何で竹筒が隠してあるんだよ?と思ってはいけません。

だって実際に400人を斬ろうと思ったら、壮絶に体力を消耗するなんてことは簡単に想像できるわけで、事前に対策を打たないわけがありません

想定される戦場にあらかじめ補給物資=水と剣を用意するくらいは、むしろ当然の戦術でしょう

そう考えると、さらに映画のリアル度がぐっと上がります。ゾクゾクしますね。

果てしない疲労度の極みで戦い続ける坂口拓。

ここも非常に面白いポイントです。

その3:最終戦闘とのギャップが面白い

77分ワンカットの戦闘シーンの後、何年後かの姿として、生き残った吉岡勢と武蔵とのもうひとつの戦いが描かれます。

これが映画の最終戦闘になるんですが、この映像が凄い果てしなくカッコいい。

通常の映画のようにカット割りを使った戦闘が描かれるんですけど、魅せるポイントのわかりやすさ、それ故のかっこよさ、スピード感、映像の美しさが凄すぎて痺れます。

圧巻。

アクション映画はここまで魅せることが出来るんだ!という強烈な意気込みを感じます。

77分ワンカットの戦闘シーンでは「凄い!」と思いながらも一方で「ちょっと飽きるなあ…」「冗長だなあ…」と感じていたモヤモヤ感が

全て一瞬で吹き飛びます

めちゃくちゃ面白いです。

映画の構成力なのか、それとも「さすがにワンカットの戦闘シーンだけで行くのはしんどいだろう…」という配慮の賜物なのかは分かりませんが、このギャップを楽しむのも楽しみ方の一つです。

ストーリーやファンタジーを楽しみたい方には合わない映画かもしれません。しかし「リアルな合戦」を考えれば考えるほど、「狂武蔵」はどんどん面白くなってくる映画だと言えるでしょう。

まとめ

実は主演の坂口拓さんのことを全く知りませんでした。

映画「キングダム」に出ていたことも全然知りませんでした。「キングダム」は映画館で見たのですが、そのときは

「何で左慈がラスボスなんだ??」
「大体この左慈を演じているのは誰だ?」
「妙な迫力はあるけど…」

くらいしか思っていませんでした。

しかしYouTubeで「たくちゃんねる」を観てからすっかりハマってしまい、同じ動画を繰り返し見ることも当たり前な状態になっています。

肩こりに悩ませ続けられていた私は坂口拓さんきっかけで毎日肩甲骨を回すようになり、「360度回るんだ!」という意識で毎日を過ごしているほど。

そんな坂口拓さんの映画「狂武蔵」は、やはり面白い映画でした。ただし挑戦状的な映画であるため、一見単調・冗長・アラが目立って「つまらない」と感じるリスクもある映画だといえます。

見なければ感じられない。
感じなければ語れない。

リアルな戦闘とは何なのかを。

語らなくていいと言われたらそれまでだけど、戦闘を語るために、物の見方を深めるために必要な通過点ではないでしょうか。

まずは見てみることを。出来ればただ見るだけでなく、「実際にこの戦闘に臨むとしたらどうだろうか」と想像を膨らせながら見ることを強くおすすめします。

以上、映画「狂武蔵」の感想でした。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

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