霧島もとみです。
ネットや雑誌を見ると、もう毎日、凄い人たちの活躍の情報が届けられてきます。
起業家や芸能人、アーティスト、専門家、Youtuberなど。
Twitterを見れば、インフルエンサーが今日もたくさんの「いいね」を獲得しています。
それを見たとき、
「この人は天才で特別な存在だから、こんなに凄いことができる」
「自分みたいな普通の人には無理」
「ただただ凄い・・・」
こんな風に感じることはないでしょうか。
僕は、こう感じてばかりでした。
でもこれって、夢や理想に向かう苦しさからの逃避なんですね。
夢を持ったって、実現出来るかなんてわからない。
失敗する確率のほうが普通に高そう。
そうだ。才能の違いだから出来なくてもしょうがないよね!
こんな風に「特別な人しかできないこと」とか「才能」っていう理由付けをして、自分に言い訳しよう、楽しようという心理の現れなんです。
UVERworldの「PRYAING RUN」は、そんな言い訳に正面からNOを突きつける歌です。
あれこれ考えてためらうな!
あいつは天才で自分は凡人だと決め付けるな!
俺らだって怖いんだよ。それでも走るんだよ!祈りよ届け!
という激アツなメッセージが込められている、
ファンに、そしてUVERworld自身に向けた祈りの歌なんです。
というわけで、今日は「PRYAING RUN」の感想と魅力を紹介します。
はじめに「PRYAING RUN」とは
「PRYAING RUN」は、2015年にUVERworldの28枚目のシングル「I LOVE THE WORLD」のカップリングとして発売された曲です。
タイアップではありません。
アルバムは2017年の「TYCOON」のほか、2018年のベストアルバム「ALL TIME BEST」の「MEMBER BEST」にも収録されています。
カップリングとして発表されていながら、タイアップもないのに、
・シングル曲「I LOVE THE WORLD」を差し置いてベストアルバムに収録される
・ライブのセトリに頻繁に顔を出す
という今のUVERworldを代表する1曲として成長した曲です。
それでは曲の魅力を紹介していきます!
メッセージそのものが音楽になった曲という魅力
「PRYAING RUN」の最大の魅力は、曲に込められたメッセージです。
メッセージそのものが音楽になったと言っていいでしょう。
なぜなら、この曲は、UVERworldのTAKUYA∞が日課として行っている「毎日10kmのラン」に込めた思いから生まれた曲だからです。
そう。
TAKUYA∞は、毎日10km必ず走ることを自分自身に課しています。
ライブがあってもなくても、晴れでも雨でも。
僕はこの話を聞いたときに「何でそんなことやってんの?」と唖然としました。
正直なところ意味が分かりませんでした。
ですが、この「PRYAING RUN」を聞いたとき、込められた思いが分かり胸が熱くなりました。
込められた思いの幾つかを紹介したいと思います。
結果に心を囚われて動けなくなる前に走れ!
Aメロで繰り返されるフレーズがこれです。
◯◯◯か、XXXか?
全部やって確かめりゃいいだろう!
選択をしなければならないとき、新しいことを始ようとするとき、それがどうなるのだろうということは誰もが想像することです。
それが行き過ぎると、悩みになり、立ちすくんで動けなくなってしまいます。
この問題へのUVERworldの答えはシンプルです。
全部やって確かめりゃいいだろう!
この部分は思いが込められた超ハードな歌声になっています。
叫びかよ!!とツッコミたくなるくらいです。
つべこべ考えずに、文句を言わずに、立ち止まらずに、動け!というのがメッセージなんですね。
ところでなぜUVERworldはそう言うのでしょうか?
それは、誰だってやってみなければ分からないからです。
そのメッセージは曲の後半で歌われています。
強い人なんていない。迷わない人なんていない。
UVERworldは成功を収めたバンドであり、TAKUYA∞は毎日欠かさず10km走り続けるという強靭な意思を持った人物です。
僕たちはもう普通に、
「凄い才能の持ち主だ」
「強い、特別な人だ」
と考えてしまいます。
ですが、この曲で歌われているのは「それは違うよ」というメッセージです。
僕は止まるのが本当は怖くて
何もかもが一緒に止まってしまいそうで
まだ終わらないでくれって祈るように走って
いつか起きる奇跡を信じて
1番のサビでは、次の思いがさらけ出されています。
- 僕は本当は怖い
- 怖いのは、UVERworldという何者にも変えられない大切なものが、止まってしまうんじゃないかと感じるときがあるから
- だから、終わらないでくれと祈るように走っているんだ
さらに2番のサビでは、次の思いが歌われます。
- 迷いが無い強い人じゃない。
- 迷いをどうしていいか分からず走っている。
- 汗をかいてもそれ以上の思いが溢れてきて、思わず泣いてしまう。
つまりTAKUYA∞は、自分自身の姿を例に挙げて、
強い人なんていない。迷わない人なんていない。
誰もが迷いを抱えて走っているんだ。
だから、お前たちも走れよ!行動しろよ!
というメッセージを歌っているんです。
理想を追って走り続ける
気持ちだけが進んでくのに 理想は遠く 追いつけそうにない
暗闇を目隠ししたまま ひたすら前にあてもなく
いつか誰もが驚くような奇跡が この身に起きたとしても
きっと僕だけは驚きはしないだろう 起こるべき奇跡が起きただけさ
祈りよ届け
2回めのサビの後、歌詞は「理想へ向かって走る姿」の描写へと変わります。
ここが素敵なんです。
どれだけ進んだら夢に届くのかなんて分からない。
それでもただ前に進んでいくだけ、そんな思いが綴られています。
「奇跡」とは、理想に届くこと、夢が実現すること。
もしそれが起きたとしても、自分だけは驚かない。
なぜならそれに向かって走り続けてきたことを知っているから・・・ってめっちゃ格好良くないですか!?
そして僕がこの曲で一番好きなのが、その後の
祈りよ届け
という短い一瞬のフレーズ。
夢や理想へ向かってひたすらに走る姿。
届くかどうかも分からないまま走り続ける姿。努力し続ける姿。
それを「祈り」と表現した清々しさ・神々しさがとても美しく感じられて、僕は大好きなんです。
僕はこの曲に出会ってから、
僕の努力よ届け
と祈りながら、毎日を生きるようになりました。
その他、「PRYAING RUN」について書いておきたいこと
メッセージについて長くなってしまったので、ここは手短に紹介します。
- ライブでとにかく盛り上がる
ライブで凄く盛り上がります。
「全部やって確かめりゃいいだろう!」は会場に叫びが溢れますし、
「LA la la…」のところは大合唱。
鬱憤を晴らすようなテンションの高さと、リズムに乗った一体感が味わえます。
多分、この曲はライブで育っていった曲ですね。
- Aメロとそれ以外の音楽性のギャップ
Aメロはメロディーがほとんど動かない、パンクというか、叫びというか、大声で台詞を読むみたいな感じになっています。
それがBメロからは一転して、美しく繊細なメロディーラインが歌われます。
このギャップが曲の魅力を増大させているように感じます。
走りに込められた祈りの感情をひしひしと感じる事ができます。
- TAKUYA∞を強く感じる曲
ライブの「PRYAING RUN」で僕は、他の曲以上にTAKUYA∞に強く感情移入している自分に気付きました。
TAKUYA∞を強く感じるんですね。
それはきっと、TAKUYA∞のこの曲への思い入れが強いことの現れなんだろうと思います。
これもこの曲の大きな魅力です。
まとめ
TAKUYA∞の10kmランに込めた思いを曲にした「PRYAING RUN」の魅力をまとめます。
・メッセージそのものが音楽になった曲
・迷いと怖さを抱えた姿をさらけ出している
・それでも理想へ向かって走り続けるという祈り
TAKUYA∞の姿を身近に感じながら、自分自身を静かに奮い立たせる不思議な力が満ちた曲です。
「自分なんて駄目だ・・・」と立ち止まりそうになったとき、この曲を聴くことでもう一度走り出せるはずです。
以上、「PRYAING RUN」の魅力の紹介でした。
読んでいただきありがとうございました。