歌うことが下手の横好き、霧島もとみです。
のど自慢大会というものを皆さんご存知でしょうか?
と言ってもNHKでやってる本家のアレではなくて、商店街とか盆踊り会場とかの超ローカルな規模で開催されている歌合戦のことです。
さて、歌が歌いたいな〜という人にはいくつかの段階があります。
1.自分一人で歌って世界に浸る
2.カラオケやスナックで知り合いの前で歌う
3.知らない人の前でステージで歌う
歌うことが好き、あるいは自分の歌声に自信を持ったことがあるなら、3つ目の段階「知らない人の前でステージで歌う」に興味があると思います。
とりあえず僕がそうでした。
しかし僕の場合、それを実行するには大きな問題がありました。
対人恐怖症という問題です。
他人と話をすることや、大勢の前で何かを話すと考えただけで緊張して動悸が早くなります。理由のない不安にかられてフワフワと不安定な状態になります。
マトモになんて歌えません。
しかし勇気を振り絞り、一昨年に初めてローカルのど自慢大会の舞台に立つという挑戦に踏み切りました。
それから毎年1回、今年で3回目になりますが、同じ大会に出場し続けています。
そうしたら・・・
これ、対人恐怖症の緩和対策になるんじゃね?という気付きがありました。
そこで今日は、対人恐怖症の僕が人前で歌うという挑戦で得た3つの気付きを語ります。
人前でうまく喋れない、十分なプレゼンが出来ないという方にはきっと参考になると思います。
どうぞよろしくお願いします。
1.恥をかけ!対人恐怖症だからこそ経験を積むべき
対人恐怖症といえども、社会生活を送る中では人と関わらず生きていくことは出来ません。
仕事をするうえでは尚更で、仕事の内容や職種にもよりますが、説明や交渉などの機会が否応なく訪れることになります。
仕事だからと割りきったとしても、どうしても必要以上に緊張してしまうのが対人恐怖症です。
しかし仕事を任された以上は、やるべき事はやらなければなりません。
そんな時に大事だと感じることが2つあります。
経験と慣れです。
この二つがあると無いとで、体の反応が大きく変わってきます。
最初はとにかく緊張して、頭の中が真っ白になって何を話したか覚えてないような状態になるでしょう。
でも、それを何度か繰り返すうちに経験という免疫が出来てきます。
経験を積むとどうなるか?
簡単に想像できると思いますが、次に同じような場面に遭遇したときに「前はこうだったな」と経験の引き出しを開けることが出来るようになります。
起こりうる出来事や失敗や成功を想定して備えることが出来るようになります。そうなると不思議なもので、無意識が感じる危険のしきい値が下がり、ストレス反応が弱まる気がします。
これが「慣れ」ですね。
慣れを獲得するためには、経験の数を増やすのが手っ取り早いです。
人前で歌うというのは、ストレスがかなり大きい体験ですが、一方で失敗しても何もリスクはありません。
恥ずかしい思いをするだけです。
(ただし無茶苦茶恥ずかしいですが…)
ということは、失敗してもいい経験だということです。
研修と同じようなものですね。
やはりここぞという時の失敗のリスクを減らしたいじゃないですか。
だったらそれ以外の失敗をどんどんするべきだなと。
ということで、対人恐怖症な僕だからこそ、人前で歌うのはいい経験になると感じました。
2.準備しろ!準備次第で出来が大きく変わる
正直に言います。
今年のチャンレジは、めちゃくちゃ緊張しました。
ステージに上がる前から胸のドキドキが止まらなかったし、ステージに上がってから歌が始まるまでの間は視線が定まらず挙動不審でした。
僕は緊張する自分を俯瞰的に見て、やっぱりなあ・・・と思っていました。
なぜなら、今年は十分な練習が出来ていなかったからです。
実は、昨年同じ大会に出た時はあまり緊張していませんでした。
去年は十分に練習する時間があり、1カ月間はずっと同じ歌ばかりを練習して、自分としては万全の状態で本番に臨んでいました。
やるべきことも明確に分かっていました。
「練習で何度も繰り返した歌い方をこのステージ上で再現するだけ」
ところが今年はほとんど練習する時間を取ることが出来ませんでした。
このブログの更新と、最近始めたボルダリングジム通いとにまあまあな時間を取られていたからです。
だから練習の中で「この通りに歌えば、今の自分としては最高のパフォーマンスが出来る」という手ごたえを掴めていませんでした。
時々は納得いく演奏が出来てはいたものの、ブレが大きすぎる演奏に「このままじゃ本番やばいかも・・・」とが募るばかりでした。
そしたら案の定、本番では強烈に緊張し、さらには歌唱でも大失敗をして大恥をかきました。
もっと準備をしておくべきだった・・・
僕は心の中で泣きながらステージを降りて行きました。
この時、「人前で何かをする時に必要なのは準備だ」ということを改めて痛感しました。
自分で十分と思えるような準備を行えば、本番での緊張を減らし、十分なパフォーマンスを行える確率がグンと上がります。
なぜかというと、事前の準備=練習を繰り返すことにより、
・どうすればそれをできるのか
が自然と身に付き、あとはそれを本番で再現すればいいだけの状態になるからです。
その分、意識を「やるべきこと」に集中することができます。だからパフォーマンスのレベルが上がります。
今回の失敗で、このことを改めて強く感じました。
準備は大事!
ちなみに、プレゼンが上手な事で有名なオリエンタルラジオの中田敦彦さんは、事前の準備を相当に行っています。
準備の仕方については、中田敦彦のYouTube大学で「プレゼンの準備の仕方と正しい練習法」という動画をアップロードしていますので、参考にしてください。
3.受け入れろ!どうやっても緊張する
そもそも緊張というものがなぜ起きるかというと、人前に立つという普段とは違う行為そのものにストレスを感じるからです。
僕のように対人恐怖症な人間なら、その傾向はより強いでしょう。
脳がストレスを感じると、体はストレス反応を起こします。闘争または逃走に備えるための自然な体の反応です。
だから多かれ少なかれ、人前に立つ時は必ず緊張するものです。
さらに、よく言われていることですが、「緊張しては駄目だ」と思えば思うほど緊張は強くなります。
これは
緊張したら駄目 → 緊張しているのは望ましくない状態だ → 緊張していること自体がストレスになる
という構造により、新たなストレス反応=緊張を呼んでしまうからです。
しかし、そうは言ってもやはり緊張は避けたいもの。僕も、いざ本番になると「緊張したら駄目だ」と焦ってしまい、より緊張するということを繰り返していました。
でも今回、自分自身のあまりの緊張ぶりにはっと我に返りました。
慌てて「そうだ、緊張するのは当たり前なんだ」と自分に言い聞かせることで、緊張はしながらも、頭が真っ白になるような極度の緊張は避けることが出来ました。
緊張を受け入れる事で、それ以上の緊張を避けることが出来たんです。
僕は改めて気付きました。
緊張は自然な反応として必ず起きるものだと考え、緊張を感じた時は「体が戦う準備をしているのだな」と受け入れるようにすればいいんだなあと。
また同時に、緊張を受け入れるスキルを身につけておいて損はないなと。
ちなみに緊張の種類として、また、不安が高まっていたり、事前準備が足りてなかったりすると、それを現場の対応で補おうとして脳のワーキングメモリが一杯になるというものがあるそうです。
この種類の緊張を抑えるには、事前の準備とリハーサルを入念に行うしかありません。
この点でも、やはり事前の準備が大事になる訳です。
まとめ
というわけで、僕が対人恐怖症でありながら人前で歌う「のど自慢大会」に出場し、その中で気付いた事は次の3つでした。
[1.恥をかけ!対人恐怖症だからこそ経験を積むべき
2.準備しろ!準備次第で出来が大きく変わる
3.受け入れろ!どうやっても緊張する
この3つのことを踏まえれば、たとえ対人恐怖症であっても、人前でプレゼンをしたり、何かの説明をするということが次第に上手になってくると思います。
僕も歌はまだまだですが、説明やプレゼン、面接の受け答えはそこそこ出来るようになりました。
自分を受け入れて、十分な準備をして、やれることに集することが中が大事だなあと思っています。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。