ミルクボーイの「コーンフレークネタ」が面白い3つの理由について

タイトル画像

お笑い大好き、霧島もとみです。

ミルクボーイM-1グランプリ2019を優勝しましたね。

テレビで漫才を初披露したコンビが優勝したことも話題になりましたが、何と言ってもMー1史上最高得点を叩き出した「コーンフレークネタ」の面白さがもの凄いインパクトを残しました。

コーンフレークという食品をネタにした漫才がなぜあれほど面白かったのか?

また、決戦で全く同じ構成の「モナカネタ」を出しながらも勝ち切った底力はどこにあるのか?

一見地味でゆっくりな漫才、昭和の匂いすらするような漫才がなぜこんなに面白いと感じたのか?

その理由を落ち着いて分析してみたら、新しい笑いの可能性に気付けたのでまとめてみました。

M-1審査員のコメントは?

漫才を終えた後、史上最高得点の興奮のなか審査員から称賛のコメントが寄せられました。

  • 松本人志
    「行ったり来たり万歳って言うんかな?
    揺さぶられたなー」
  • 上沼恵美子
    「ネタのセンスの角度が素晴らしい。
    新しい」
  • ナイツ・塙宣之
    「誰がやっても面白いネタ。
    +この人たちがやったら一番面白い、もあった。人の力と言葉の力とセンスが凝縮されていた」

これらのコメントに「コーンフレークネタ」の面白さの理由が的確に表されています

まとめると次のとおりです。

・見る人を揺さぶって笑わせる力がある
・誰もが知っているものを新しい角度でネタに変えている
・演者の個性に頼らない普遍性をもったネタ
・演者ならではの面白さが上乗せされている

これらの要素が高いレベルでミックスされることで、あのコーンフレークネタの爆発的な面白さが作られています。

その面白さの理由を、3つに分けて紹介させていただきます!

面白さの理由1:揺さぶる巧みな展開が笑いを作る!

コーンフレークネタの展開はとてもシンプルです。

ボケの駒場が「オカンが言うには…」と食べ物の特徴を言い、それに対してツッコミの内海が

「コーンフレークやないかい」

「コーンフレークちゃうがな」

と言い、続けて「コーンフレークの特徴(あるあるネタ)に対するツッコミ」を入れていく…というものです。

これをひたすら繰り返す「揺さぶる展開」が笑いの原動力なんですが、この揺らし方が巧い

「好きな食べ物がコーンフレークかどうか」を中心にして、「コーンフレークだ」「コーンフレークじゃない」という正反対のエピソードをメトロノームのように行き来することで話の振り幅を作り出す。

この振り幅をさらにあるあるネタで加速させる。

日常的な「コーンフレーク」という題材を、

ちょっと斜めからの「あるあるネタ」でイジり、

非日常的な世界に変えてドン!と背中を押すんですね。

だから見ている方は、揺さぶられるたびに振れ幅が大きくなり、感情が動かされ、笑ってしまう!

この見る人を揺さぶるシンプルかつ巧みな展開が、1つ目の面白さの理由です。

面白さの理由2:ネタの優しさが笑いを作る!

2つ目の面白さの理由は、ネタの優しさです。

優しさって何?という話ですが、コーンフレークネタには攻撃的な要素が無いんですよ。

外見的な要素を指摘したりとか、ボケをひたすらツッコミ倒したりとか、「痛い!」と感じるようなツッコミをしたりとか、そういうものが一切無いんです。

また、「何かを馬鹿にするような物の言い方」もしていません。

例えば決戦でのかまいたちのネタは、「トトロを見たことがある人」をある意味で馬鹿にするような物の言い方をしています。

もちろんネタなので「馬鹿にするような物の言い方をしている人」を笑いの対象として作り上げているのですが、それでも展開上、棘のある物の言い方をしています。

コーンフレークネタにはこれが無いんですよ!

最初から最後まで優しいネタで、見ている人が安心して笑える環境を生み出している漫才なんですね。

ポイントはここです。

・「オカンが好きな食べ物の名前を忘れた」というフリに対して「一緒に考えてあげる」と優しく相談に乗るストーリー。

 

・ボケから告げられる特徴を全て受け入れてコメントする

 

・ツッコむのはコーンフレークに対してだけ

 

・そのツッコミも否定的にならないよう言葉を選んでいる

つまり誰も傷付かない漫才なんです。

しいて言えばイジられるコーンフレークが傷付きそうなものですが、それも完全な否定にはならないように言葉と内容を選んで優しい面白さに変えているから、結局のところ傷ついていません。

「まだ朝の寝ぼけてる時やから食べてられるのよ」

「朝から楽して腹を満たしたいという煩悩の塊」

この表現のセンス!驚かされるばかりです。

もちろんイジるだけではない。逆の振れ幅として、「子供があこがれる」など褒めるときは真っ向から褒めています。

コーンフレークへのリスペクトすら感じる漫才だと言えるでしょう。

これだけ優しい漫才だと、見ている方は安心してネタの面白さに身を委ねることができます。

この優しさが産み出す安心感が、2つ目の面白さの理由です。

もちろん攻撃的な漫才にも面白いものは多くあります。しかしそれと真逆の軸を行く優しい漫才に、私は新しい時代の変化を感じた気がしました。

面白さの理由3:ミルクボーイだからこその面白さがある!

審査員・塙さんのコメントはこうでした。

誰がやっても面白いネタ。
+この人たちがやったら一番面白い、もあった。
人の力と言葉の力とセンスが凝縮されていた。

この「この人たちがやったら一番面白い」というのは、ミルクボーイという漫才コンビだからこその面白さがあったことを言っています。

ぱっと見は昭和な感じの、どこか地味に見えるこの2人のどこにその面白さがあったのでしょうか?

まず、目立つのはツッコミの内海の声です。

高めのハリのある声が、「コーンフレーク」という伸ばす音が多い単語に抜群に映えて、めちゃくちゃ耳に残ります。

「コーンフレーク」「コーンフレーク」と繰り返されるフレーズが耳に焼き付いたという人も多いのではないでしょうか?

また、「コーンフレーク」以外の言葉でも音を伸ばす話し方を所々で入れて、全体的に優しい口調を感じさせる話し方にしています。優しい口調にすることで安心感を与えて、面白さを演出しています。

この内海の声と話し方がまず1つです。

しかし。

他にミルクボーイだからこその面白さはないのだろうか?

さらに地味に見える相方の駒場には面白さはないのだろうか?

そう考えた時、僕は「オカンが言うには…」の他にはほとんど相槌しか打っていないボケの駒場が「ミルクボーイならではの面白さ」を大きく演出していることに気付きました。

駒場はこの漫才中、本当に「オカンが言うには…」に続く食べ物の特徴を話すことと、相槌を打つこと位しかしていません。

だから笑いのメインは「コーンフレーク」と繰り返すツッコミの内海にありそうに見えるのですが、僕はこの「一見派手な動きをしない駒場」が演出するとある要素が欠かせないものだと考えました。

それが何かというと、

駒場が醸し出す日常感です。

外見も派手でなく、話し方も派手でない駒場。

この駒場が演出している日常感が笑いの肝の一つになっているんですよ。

駒場の姿から、

「本当にオカンに言われてそう」

「普通のどこにでもいるオカンの姿が
駒場から想像できる」

と感じられることで、ネタの面白さが倍増しているんです。

この日常感があることで、見ている側は「コーンフレーク」の世界観に安心して没入でき、肯定と否定とを行き来する揺さぶり漫才をより一層楽しむことができるんです。

 

つまりミルクボーイだからこその面白さが何か?というと、

内海の声と話し方
×
駒場が徹底して醸し出している日常感
×
揺さぶりネタ

という3要素の掛け合わせだと言えるでしょう。

だからミルクボーイのコーンフレークネタは抜群に面白いんです!

また、駒場の落ち着いたトーンの声と、内海の高い声との明瞭なコントラストも聴いていて心地よいのもポイントですね。

おわりに

M1グランプリ2019を優勝したミルクボーイのコーンフレークネタの面白さの理由について、お笑い好きの視点から分析してみました。

あるあるネタの分かりやすさをベースにした、二人が作る懐かしさと安心感、繰り返し揺さぶられるたびに大きくなる振れ幅、それを生み出す洗練された言葉のセンスが絶妙に噛み合った奇跡的なネタが「コーンフレーク」でした。

これまでに見たことがない面白さの要素を持ったネタで、面白いものの可能性がまだまだ無限にあることを思い知らされた凄いネタでした。

これからの活躍に期待したいと思います!

最後まで読んでいただきありがとうございました。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です