「読みたいことを、書けばいい。」の感想を2リットルの下剤を飲みながら書いてみた。

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この記事は1ヶ月ほど前に読んだ「読みたいことを、書けばいい。」という本の感想です。

「読みたいことを、書けばいい。」の表紙

僕はこの記事をムーベンという下剤2リットルを飲みながら書きました。

大腸の内視鏡検診を受けるためです。

ゆえあって僕は人生初の肛門からカメラを入れられるという体験をすることになるのですが、まあ、その前戯のようなものです。

2リットルという量を、出すために飲む。
なんと非生産的な行為でしょうか。

2リットルの下剤・ムーベン

でも酒を飲むときは最後に吐くと分かっていながら飲み食いをし、かつ金を払っている僕と大差ないことを思い出し、それよりは意味があると考え直して粛々と飲むことにしました。

余談ですね。失礼しました。

ちなみに最初の180mlは15分以上かけて飲まなければならないそうです。

得意技が日本酒イッキ飲みな短気な僕には、これまた試練です。

さて、この記事を書くにあたり、先立って筆者である田中泰延(のぶひろ)氏のエンタメ新党のページでラ・ラ・ランド特別編の記事を読みました。

ラ・ラ・ランド特別編【連載】田中泰延のエンタメ新党

正直どうでもいい音源やオマージュの紹介ばかりで全然面白いと思いませんでした。すみません、映画通じゃないのでまずオマージュの元ネタがさっぱり分からなかったのです。

映画通の人なら「そうそうそう!よく見てるよね!」「えっ、そんなこともあったの!?」と重箱の隅のごはん粒の残りを見て興奮するように楽しめたでしょう。

流石だと感じました。

また、本書で紹介されていた石田三成の記事も読みました。

秒速で1億円稼ぐ武将 石田三成~すぐわかる石田三成の生涯~

三成と関係ないキャバクラ嬢の話一次資料自慢へのツッコミなどを半分近く散りばめながら、三成の逸話や人物像を紹介していく手腕に啞然としました。

一次資料にあたっているゆえの文言の重みをずしりと感じさせながら、それを茶化すかのようなどうでもいい話をあえて入れていく。

現代における石田三成を浮かび上がらせ、一方で史実の石田三成は…という対比を面白く真剣に書くことが「誰も書いてない石田三成」だったのかもしれません。ちなみに「秒速で1億円稼ぐ」のくだりは最後まで無視です。すごい。

この狂気のような文章を書く筆者は一体どんな人間なのか。ますます興味が深まりました。

記事ばかり書いていたら肝心の下剤がおろそかになってました。ちょっとペースを上げて飲むことにします。まだお通じはきていません。

ここまで500mlを40分かけて飲みました。
イイ感じです。

「読みたいことを、書けばいい。」とは?

さて肝心の「読みたいことを、書けばいい。」ですが、「人生が変わるシンプルな文章術」という副題とは裏腹に文章術のことは書いていません。

考え方の本なのです。

しかし電通で24年間コピーライターとして勤めたという田中泰延(ひろのぶ)氏が書いたこの本は、文章を書きたいな〜というネジの緩んだ頭に強烈な一撃を加える破壊力のある一冊でした。

人を食ったようなお調子ものの文体で調子を乱しつつ、強烈なストレートを放ってくる。

僕はこの本に頭を殴られてから、しばらくブログを書けなくなってしまいました。きっと本棚の一番高い所に置いた罰が当たったのでしょう。

思い出したら頭が…そしてお腹のほうが少しキリキリしてきました。下剤が少しづつ効きはじめたようです。

この書けなくなった体験を、本書の感想として書かせていただきます。

書くことをやめようと思った理由

その理由は第3章「どう書くのか」にありました。

見出しだけで威力が伝わります。

・つまらない人間とは「自分の内面を語る人」
・物書きは「調べる」が9割9分5厘6毛
・一次資料に当たる
・どこで調べるか
・巨人の方に乗る
…(以下略)

書くことってサア、こんなに厳しいんだよ。

と頭から氷水をぶっかけられたような心地でした。

お前の書く行為は、到底「書く」という行為とは全く違うものだよ!
フハハハ!!

この本はそう高らかに宣言していたのです。

ここからは自分語りになるので読み飛ばしてていただいて結構です。ホップ、ステップ、ジャンプで読み飛ばしてください。

僕は巨人の肩に乗ってもないし、
自分語りでしかない記事をたくさん書いているし、
一次資料を探しに図書館に行ったこともありません。
世間で注目を浴びるような何者でもありません。

あ…
ここで最初の便通がきそうになりました。
一度中断します。

戻りました。

つまり、今こうやって下剤を飲んで無理やりウンコをしようといている僕に、何かの文書を書く資格があるのだろうかという疑問にぶつかったのです。

いや違う。
そうじゃないよ。

僕が何かを書こうとする行為に意味がないのではないか?

その疑問がウォール・マリアの壁のように僕の行く手を閉ざしたのです。

偶然にも体の不調がそれに重なり、それから1ヶ月以上何も書けない日々が続きました。

その中で考えていました。

もう書くのは辞めて、読む専門になろうかな、と。

だけどまた書きだした

ムーベンを飲み始めてから1時間が経ちましたが、まだ1リットルに達していません。

少しペースアップすることに…あっ…来た…

2回めの便通がありました。

これってアレですかね、2リットルの下剤で腸を洗い流すことで宿便とかも取れちゃうんですかね(そんなものがあれば)。だとしたらデトックス効果もあって一石二鳥だねなんてことを考えつつ、大分飲むことに飽きてきたのにまだ1リットルがしっかり残っている現実に心打ちひしがれそうになってきました。

えっと、何でしたっけ。

そうそう、書く話です。
ていうか「書きたいものを、書けばいい。」の紹介の途中でした。

「出したいときは、出せばいい。」の話とごっちゃになってきました。

なんで下剤を飲みながら書くことにしたんでしようか。私は。

それはやっぱり、下剤を飲む間の時間潰しに丁度いい…ではなく、自分の中に書くという行為への衝動に似たある種の熱があると感じたからです。

読むのは確かに面白い。
でも同時に、その時に自分が受け取ったものや、自分の中に呼び起こされたものを形にしたい、言語化したい。
分からないことがあれば調べたい。

そんな思いがあることに気付きました。
そしてそれらを上手く形にできたとき、感動にも似た興奮を味わっていた自分を知りました。

この興奮は書くことでしか味わえない。だから書こう。

でも書くためには、今眼前に立ちはだかるウォール・マリアの壁を超えなければなりません。

その前に残り700mlのムーベンをあと30分程で飲み切らないといけません。
味に飽きてきたのでかなりキツイです。

どうしましょう。
下剤を飲むと思うからキツイのかもしれません。
そうだ。僕は閃きました。
これが生ビールのピッチャーだと思えばどうだろう?
2リットルくらい…あっ…さ、3回目の…

戻りました。

そう。生ビールのピッチャーだと思えば、飲み会の盛り上がりシーンと思えば、ぜんぜんイケるはずです。

よし、やってみよう。

霧島〜もとみの〜、ハッ!
チョットいいトコ見てみたいっ!!

無理はっ!(パパパッ!)
承知っ!(パパパッ!)
こっころこっめってっえええええ〜〜

あソレ、一気!一気!一気!

 

って出来ねーよ!!

ツライものはツライ!!

で、何でしたっけ…そうそう、「書きたいものを、書けばいい。」の壁を超えることでした。

壁を超えるための考え方も書かれていた

実はその方法論…ではなく考え方も、この本には添えられていました。壁の高さのショックのあまり見逃していたのか、丁度読み飽きたあたりだったのかは神のみぞ知るところですが、僕はそれになかなか気付けなかったのです。

この本を1冊しか買わなかったことの報いかもしれません。

ちなみにここで通算12回の便通を終え、検査に向けてクライマックスな「見てみろよ綺麗だろ……」な状態になっています。

ひたすらトイレと飲み場の往復でした。

腸の中はすっかり洗い流され、それと同時に脳の活力も大分弱くなってきました。この感想、無事に書ききれるのでしょうか。

さて壁を超えるヒントは第4章に書かれています。

その中でも第5節「書くことは生き方の問題である」の文章に僕は力を得ました。

まず出だしが秀逸。

「結論から言う。書く人間はモテない。」

途端に奈落に落とします。

壁を超させる気ないよね。
ゼロだよね。
人類は壁の中に閉じこもって家畜のように過ごすしかないんだねと諦めかけました。

でも、この筆者はその後に希望の一言を残していました。

自分が読みたくて、自分のために調べる。それを書き記すことが人生をおもしろくしてくれるし、自分の思い込みから解放してくれる。何も知らずに生まれてきた中で、わかる、学ぶということ以上の幸せなんてないと、わたしは思う。

コレだと。

書くことの楽しさ、幸せはここにあるのだと感じさせる一文でした。いや、三文でした。
この幸せを得るためなら、僕は書くことができる。

その証拠に。
次また襲ってくる下剤の威力に恐れを抱きながら、今もスマホで言葉を綴っているではないですか。

僕はこの本に一度完膚なきまでに叩きのめされ、その後に立ち上がる力を貰ったんです。

あっ…じゅ、13回目…

と思ったら、14回目もすぐに待っていました。
もうそろそろ限界が…いや、検査が近いようです。

という訳で最後に一言だけ。

この本は、表面的なテクニックを重宝がろうとする文章術ブームとは一線を画し、乱立した文章術の中で見失われている「書くこと」の本質的な行為の姿と意味を浮かび上がらせた本です。

今何かを「物書きをしたい」という思いで書いている人なら、この本を読むことによって明確な道筋を手に入れることができるか、もう書きたくなくなるか、筆者に本を叩き返したくなるか、街にナンパに出かけたくなるかのどれかでしょう。

とりあえず、おすすめです。

あとやってみて分かりましたが、2リットルの下剤を飲みながら記事を書くのはおすすめ出来ません。やる時は必ず病院で医師の指導のもとで行いましょう。

あっ、そうこうする内に検査に呼ばれました。
私の人生初の経験が上手く行きますように…。

最後までありがとうございました。

 

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