霧島もとみです。
ついに来ました。
「みかん」のお題。
愛媛県民にとって「みかん」は避けて通れない問題です。
みかん出荷量では国内2位・16%(※)ながらも柑橘王国を自負し、和歌山県(1位・19%)と熊本県(3位・12位)に強烈なライバル意識を祕めているのが愛媛県民だからです。
※農林水産省「平成29年産みかんの結果樹面積、収穫量及び出荷量(和歌山県)」
和歌山県民には鼻で笑われ、
熊本県民には嫉妬されている、
そんな状況もあるかもしれません。
しかしですね。
「県」の花というものがあるんですよ。
それぞれの県が「この花こそが県のシンボルだ!」と掲げている花は、まさに県民の魂を表すものと言っても過言ではないもの。
これを見ていきましょう。まずは和歌山。
和歌山県:ウメ
うっ、確かに!
和歌山といえば梅干しっていうイメージありますよね。
では熊本はどうでしょう?
熊本県:リンドウ
リンドウ??
阿蘇の草原に可憐に咲く紫の花が、県花として選ばれているようです。
なるほど・・・。
阿蘇山には2回しか行ったことがないので分からないのですが、きっと紫の花と草原の緑と突き抜ける空の青とが素晴らしい景色を見せているんでしょうね。
そして愛媛県。
愛媛県は?
そう。
もうお分かりですよね。
愛媛県:みかんの花
”みかんは、本県全域にわたる特産物です。純白で清そな花は県民性を象徴するにふさわしいといえます。(昭和27年5月5日制定)”
愛媛県ホームページからの引用です。
特産物であることは知っていましたが、その純白な花びらの清楚な美しさが、愛媛県民の県民性をも象徴する存在だったんですね。
もとい。
愛媛県こそが、唯一、みかんを自らのシンボルとして抱える県なのです。
この点においては和歌山県・熊本県には一歩も譲りません。
愛媛県のみかんへの愛イズナンバーワンなのです!!
あ、申し遅れましたが、私、愛媛県民です。
しかしながら清楚さには一片の自信もありませんので、みかんの花に顔向けができない状態が続いています。
さて、そんな訳で「みかん」についての話を深めていきたいと思いますが、みかんをこよなく愛す愛媛県民にとって、みかんに関する話題はもう山盛りにあります。
前回のチョコレートでは縁が無さすぎて困りましたが、今回のみかんは縁が有り過ぎて困っています。
振れ幅が大きすぎるんです。
ちょうど良いところが欲しいなあ。
でもマスターこぼりさんが「何とか捻り出そうと考えるところから面白い記事が生まれる」と3000文字チャレンジ公式YouTubeチャンネルで話されていました。
それを心の支えに頑張りたいと思います。
ちなみに私、兼業みかん農家の孫です。
傍系血族のため畑は相続していませんが、特に幼少期にはみかんの思い出って山程あるんですよ。
ただでさえ愛媛県民でみかんに慣れ親しんでいるのに、兼業みかん農家の孫なんですよ。
みかんはゴロゴロ転がってるし、
もちろんみかんは買うものじゃなくて取ってくるもの、または近所から流れてくるものでした。
だから、みかんについての思い出も相当多いんですよね。
何について書けばいいのか・・・。
イメージすると「ぶわっ」と色々なことが頭に浮かんできて、収集がつかなくなります。
みかんの種類の比較ウンチク?
月別のおすすめみかん?
みかん山の思い出話?
みかん=地域通貨説?
・・・
「何を書けばいいんだー!!!」
と叫びたくなる気持ちが湧き上がってきました。
そこで、僕の叫びたくなっている気持ちと「みかん」とを結びつけて、あえて本道から外れた「みかんのうた」について今日は話したいと思います。
ここから本題です。
前置き長かったですね。
皆さん、「みかんのうた」をご存知でしょうか?
ポンジュースのCMで流れる「清く正しくたくましく〜」という歌のことではありません。
SEX MACHINEGUNSというビジュアル系バンドが歌ったバリバリのヘビメタナンバーです。
”俺の魂の叫びだーーー!!!愛媛の心、み〜か〜ん〜〜!!”
という全力シャウトから始まるこの1曲。
ディストーションギターが唸りを上げ、
激しいドラミングがアップテンポのリズムを叩き続ける。
「純白で清楚」とは真逆の「激しすぎる鬱屈したエネルギー」を表現しきった、裏・愛媛県の歌とも言える曲なんですよ。
愛媛県民のカラオケでは、とりあえずこれを歌っておけば一瞬で盛り上がれるという、ヘビロテ必死の鉄板曲。
他県民の人と飲む時には「俺は愛媛県民なんだよーーーーー!!!」という個性を強烈にアピールできる曲でもあります。
この曲の何が良いかというと、
まずサビです。
1番のサビの歌詞をご覧ください。
みかんみかんみかん
みかんみかんみかん
みかんみかんみかん
みーかーんー
次に、2番のサビの歌詞です。
みかんみかんみかん
みかんみかんみかん
みかんみかんみかん
みーかーんー
間奏を挟んだ後のラストの歌詞です。
みかんみかんみかん
みかんみかんみかん
みかんみかんみかん
みーかーんー
みかんみかんみかん
みかんみかんみかん
みかんみかんみかん
みーかーんー
AHーーーーーーーーーーーー!!
ちなみにサビの「みかん」は全てシャウトです。
みかん以外の全てを切り捨てた、素晴らしい歌詞です。
みかんへのひたむきな情熱をここまでストレートに表現した歌詞は、他に見たことがありません。
このサビだけで135万人の愛媛県民(平成30年12月1日時点)全てが涙すると一説には言われています。
しかし、この曲の魅力はサビだけではありません。
曲のいたるところに愛媛県民の情熱が、
みかんを愛する心が表現されているんです。
いくつかご紹介しましょう。
”愛媛のみかんを食べるなら 農家の愛を噛み締めろ”
まさにみかんへの愛。
みかんへの愛は、みかんを育んだ農家への想いにほかなりません。
ちなみにカラオケで歌うときには、
ィエヒメノオオォォ!!
ミィカンをウォオォ!!
というサンシャイン池崎ばりのテンションでお願いします。
”皮を捨てる奴がいる 皮を捨ててはいけないぜ
風呂に入れてあったまれば ポカポカ”
実際にみかんの皮を風呂に入れることは少ないですが、みかんに囲まれて暮らしている愛媛県民の姿と意気込みを見事に表現しています。
また、温泉大好きな県民性にもそっと触れているところが素敵ですね。
ヘビメタなのに「ポカポカ」という可愛い言葉を使っているところもポイント高いです。
”こたつにみかんが無い家は 日本の心を失くしてる 日本の心を取り戻せ 取り戻せ”
これは真実ですね。
子どもの頃はテレビの部屋のこたつには、冬になると100%みかんが小さなカゴに盛られていました。
友達の家に行ってもそうでした。
愛媛県民の原風景を見事に表現するとともに、「愛媛県の常識は日本国の常識である」という思い上がった地方人の意気込みをも表現している、素晴らしい歌詞だと言えるでしょう。
ちなみに愛媛県の若者は、愛媛の言葉が標準語だと思っているそうです。
私だけでしょうか?
”みかんを粗末にする奴は みかんにやられて死んじまえ”
どう考えてもみかんに殺されることは無いと思うのですが、気持ちは大いに分かります。
みかんをバカにされるとイラッとくるのが愛媛県民です。
「みかんって皮むくのが面倒くさいし、全然甘くないよね〜」
と他県民が無邪気に話すのを表面的にはアハハと笑って聞いてても、内面ではこの歌詞のような恨みをそっと抱いていると思っていてください。
”みかんを絞れ これがポンジュース 命の水だ ポンジュース”
ポンジュースという名前を聞いたことがある人は多いと思います。
さらには、「ポンジュースは愛媛県のみかんで作られている」というイメージを持っている方が大部分なのではないかと思います。
しかし実は、ポンジュースの原材料にはブラジル産のオレンジが含まれています。
材料の産地表示の順番で言えば、
1.オレンジ:ブラジル
2.うんしゅうみかん:愛媛
となっていますから、ブラジル産オレンジが占める割合の方が大きいのでしょう。
かくいう僕も「ポンジュースは愛媛のみかんで作られている」と、そう思っていました。
無邪気に信じていました。
子どもでしたから。
大人になってポンジュースの産地表示に「ブラジル」という国名を見つけたときには、まるで親の浮気現場を目撃してしまったような悲しさに包まれました。
しかし、
清く正しくたくましく
みんなで作る良いみかん
みかんは心の太陽だ
愛媛 愛媛 ポンジュース
愛媛のまじめなジュースです
ポンジュース
というCMで(聞いたことありますか?)、愛媛=みかん=ポンジュースというイメージを全国に定着させた功績は偉大です。
親が浮気をしていても、自分を大きく育てくれたのには間違いないという葛藤・・・は、ちょっとちがうでしょうか。
そんな複雑な心境をポンジュースという言葉に込めて、この箇所は歌いましょう。
いかがでしょうか?
「みかんのうた」の魅力を感じていただけたでしょうか?
愛媛県民と飲みに行き、カラオケがあるお店に行くことがありましたら、ぜひ「みかんのうたを歌ってくれよ」とリクエストしてみてください。
一見大人しい愛媛県人が、急に豹変してシャウトする意外な姿を見られること間違いなしです。
以上、愛媛県民には「みかんのうたを」歌わせろ!でした。
ちなみに僕の場合は、リクエストしなくても勝手に歌うので大丈夫です。
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