人生において後悔は大抵が意味のないものだ。過去の失敗をいくら悔やんでも、失ったものを取り戻すことはできない。
私はまさにその瞬間に立ち会っていた。
立ち寄ったファミレスで何気なしに頼んでしまったチゲ鍋定食。チゲ鍋自体はいいのだが…
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料理が運ばれてきてから気付いたのだ。
チゲ鍋の赤さと、
自分が着ている服の白さに。
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うん。
赤い。
もしこの赤い汁が飛び散ってしまったら…
想像しただけで血の気が引く。ああ、俺は何をやっていたんだ。馬鹿にも程がある。もし可能なら、このチゲ鍋定食をおにぎりセットに変えてもらいたい。
だがそれは無理な話だ。瑕疵は全て自分にある。後悔先に立たずとは正にこのことではないか。
こうなったらやるしかない。
私は気持ちを切り替えることにした。
媚びぬ!
退かぬ!!
省みぬ!!!
チゲ鍋定食に逃走はないのだ~~~!!!!
まずは豆腐!
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次にうどん!
寄るな、触るな、弾けて飛ぶぜ!
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ごはんもまとめてやってやんよ!?
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格闘すること約十分。
帝王の前に敵は全てひれ伏していた。
やった。お師さん、俺はやったよ。
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だがこれで終わりではない。
肝心なのは食べたかどうかじゃない。
汁が、
散ったかどうかなのだ。
いくら見事に完食したとしても、箸先で踊る食材がその浸された赤き汁を
ピュピュッ
と飛ばしてしまっていたら、私は敗北を受け入れなくてはならないのだ。
見るのが怖い。
だが見なければならない。
例えば脳内で
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ
ドドドドドドドドドド
と「もう散ってるじゃんそれ」と言わざるを得ない音が聞こえたとしても。
目の前の壁に
「振り向いたときにお前は 散る」
と書かれていたとしても。
さあ、今が意を決する時だ!
振り向け俺!!
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どうやら完全勝利。
こんな日もあるんですね。