誰にも読まれてない記事を量産しているザ・無駄無駄ブロガーの霧島もとみです。
さて、3000文字チャレンジという企画があります。
以前はよく投稿していたのですが、「そういえばこのブログって何が書きたかったんだっけ??」という迷いが生じていたため、しばらく企画を離れて他の記事を書くことに専念していました。
あと、本業も忙しかったので・・・。
そんな中、今回の3000文字チャレンジのタイトル「成長」は僕のアンテナがピピプッと反応しました。
あ、これ書きたいタイトルだなって。
と言う訳で久しぶり過ぎて誠に恐縮なのですが、まあ、元々誰にも読まれないような記事ばかり書いているのでやっぱり気にすることはやめて、3000文字チャレンジ「成長」をお届けします。
この記事では、
まず最初に「成長」という言葉について思考を巡らし、
成長の対極としての異世界転生・チートものを考察し、
最後に僕がおすすめする成長の物語を紹介して締めくくります。
それではどうぞよろしくお願いします。
→『成長』さえ絡んでいれば、どんな文章でもOK!
・画像、動画及び文字装飾禁止!
→無機質な活字のみ。無機質に命を吹き込もう!
まず最初に。成長って何だろう?
成長という言葉の意味
成長という言葉を辞書で引くと、次のように書いてあります。
【成長】
1.(人・動植物が)育って、大きくなること。一人前に成熟すること。大人になること。
2.物事の規模が発展して大きくなること。※大辞林より一部抜粋
例えば人間の体です。
赤ん坊として産まれてから体はどんどん大きくなり、文字通り成長します。最初は3kg前後だったものが60kgとかに増えるんですから、成長以外の何物でもないって感じです。
ところが人間の体の場合、第二次性徴が終わると成長は止まります。
なので、それ以降の「成長」は、知識や技術、経済規模などが育って大きくなることに使うようになります。例えば次のような使い方です。
・人間的に成長する
・社会人として成長する
・スキルアップ、キャリアアップする
身体的特徴としての成長ではなく、内面的・技術的な成長という意味を指す使い方です。
私たちが普段「成長」という言葉を使う時は、主にこの意味を指して使うことの方が多い気がします。多分そうでしょう。
ということでこの記事では、人間の内面的・技術的な成長について書いていきます。
価値のあること、嬉しいこと
成長=内面的・技術的な人間の価値が向上すること
だとすると、これは私たちにとって価値があり、嬉しいことです。
嫌だとか最低だとか思う人はいないでしょう。
例えば仕事で成功した時。
受験で志望校に合格した時。
1年前に出来なかったことが、出来るようになったことに気付いた時。
喜びを感じない人はいないと思います。
達成感であったり、
苦労や努力が報われたという感情であったり、
世界に承認されたという悦びであったり、
自分自身の成長からは本当に大きな喜びを得ることが出来ます。
ところが一方で、成長にはそれなりの時間と労力が必要です。
このため、成長を実感することが難しいという一面もあります。
でも、成長の喜びを感じたいのが人間というもの。
そこで「成長したい」「成長の喜びを感じたい」という欲求を満たすため、私たちは物語の中で疑似体験するという方法を選びます。
成長=物語の醍醐味
ドラマや漫画、小説や映画など物語の形式は様々ですが、大流行した物語に欠かせない要素が「成長」です。
なぜなら主人公たちの成長を疑似体験したいという欲求が読者・視聴者側にあるからです。
例えば、
・ドラゴンボール
・ワンピース
・ハンター×ハンター
などの漫画はどれも成長の物語ですし、
・ドラゴンクエスト
・ファイナルファンタジー
などのRPGも成長の物語ですよね。
・ハリーポッター
・スターウォーズ
などの長編シリーズ映画も成長の物語です。
主人公たちが冒険や戦いを通じてどんどん強くなっていき、最強の敵を倒す、あるいはもの凄い宝を手にする・・・
というのが大きな話の流れです。
「ジョジョの奇妙な冒険」の作者・荒木飛呂彦さんも、著書の中で「成長は物語の王道」と語っています。
・サラリーマン金太郎
・島耕作シリーズ
などの漫画もそうですよね。
もしこれらの物語に「成長」がなく、停滞やどんどん衰退するだけだったら、きっとすぐに読むのを止めてしまうでしょう。
私たちはこれらの物語を読むことで、成長を疑似体験し、その喜びを感じています。
そして物語の主人公たちに勇気付けられ、自分自身の成長を目指し、日々を生きて行こうと思う訳です。
とても素晴らしいことだと思います。
ところが、この「成長」をあえて無視するようなジャンルの物語が近頃流行しています。
異世界転生チートものです。
成長を語るとき、これに触れずにはいられません。
流行の背景に嫌な風潮を感じるからです。
異世界転生チートものから考える「成長」
異世界転生チートものって何?
異世界転生チートものについて超ざっくりまとめると、こんな感じです。
・現実世界で超平凡な主人公が、何かのきっかけで異世界に転生する
・転生すると、Lv99や超絶スキルの獲得など最初から最強な状態になっている
・その力で勝ちまくりモテまくり
チートとは「反則的な裏技」という意味です。
例えば、RPGゲームでセーブデータそのものを操作して最強なステータスにすることなどを意味して使われていました。
確かに瞬間的には面白いです。
・俺強い!
・楽して最強なんて最高!
・苦労とか時間の無駄じゃんか!
とか思うのですが、すぐに虚しさだったり味気なさだったりを感じて、止めてしまうんですよね。
だから、
最初から最強なヤツの無双話なんて面白くとも何ともないじゃん・・・
って僕なんかは思うのですが、
めちゃくちゃ売れてるんですよね。
本屋では1~2コーナーを占領しているし、続々とアニメ化もされていて、知人の子ども(中学生)なんかはすっかり異世界ものの虜になっているんだそうです。
なぜ異世界転生チートものがこんなに流行ってるんだ・・・
僕はそう考えた時、何だか嫌なものを感じました。
チートを求める社会って何?
物語が売れるというのは、社会の裏返しだそうです。
逆に言えば、社会に渦巻いていたり、水面下に鬱屈して溜まっているような欲求に刺さることができた物語が売れるということです。
ということは、この「異世界転生チート」な物語にも、社会に刺さる何があるという事になります。
その物語の要素って何だろう?と考えると、僕は少し怖くなりました。
・今の現実世界はつまらない、息苦しい
・勝ってるヤツは最初からチートだ
・勝ち組、負け組は最初から決まっていて覆せない
・ならせめて物語の中では俺もチートして最強になりたい
・ていうか楽して勝ちたい
これは僕の考え過ぎかもしれませんが、つまるところ異世界転生チートものがバカ売れする社会というのは、
成長を諦めた社会
じゃないかと思うんですよね。
テレビを付ければ格差社会が叫ばれる。
安い時給やサラリーに耐えて頑張る人がいる一方で、親の資産で高級車を乗り回している大学生がいる。
自分がいくら頑張ったって知れている。
生まれながらの壁を超えることなんてできない。
そう思ってしまっている人たちが多くいる社会になってしまっているんじゃないかと、だから異世界転生チートものが流行しているんじゃないかと思う訳です。
僕がここで言いたいのは、
やっぱり成長を求めて欲しい。
成長を諦めないで欲しい。
という事です。
やっぱり成長を求めて欲しい
人は何歳になっても成長できるし、自分の努力でどうだって変えていくことができる
というのが僕の信念です。
そりゃあ生まれながらの差はありますよ。
経済的な事情は勿論、身体的な違いや、生まれ育った環境の差は絶対にあります。
でも全体的に見ると、少なくとも今の日本の社会は絶対的な階級社会じゃない。努力と挑戦と運次第で、成長できるチャンスはそこら中に転がっています。
格差社会だと決めつけて「悪いのはこの社会だ」という考えは魅力的ですよ。なぜなら、自分を守る事が出来るから。「自分は悪くない、自分は頑張ってるけど社会が悪いんだからしょうがない」と責任を環境に押し付けることができるから。
人間には弱い側面があるから、そういう考えを声高に叫ばれると「そうかもしれない・・・」なんて流されてしまう一面があります。
でもそう思ってしまったら。
それが信念になってしまったら、終わりだと思いませんか?
成長という人間に与えられた武器を、機会を、自ら捨てる行為だと思いませんか?
やってみないと分からない。
勝つか負けるか、夢が叶うか叶わないかは分からない。
だったら、やって確かめるしかない。
挑戦したいし、挑戦してほしい。
成長を求めて欲しいと思わずにはいられません。
だからまず、その初めの一歩として、物語で成長の素晴らしさを感じてほしいと思うんです。
成長の物語に触れることで、自分自身の成長の可能性を信じられると思うから。
という訳で最後は、僕がオススメする「成長の物語」を紹介させていただきます。
余談ですが、今の社会で「格差社会だ。悪いのは全部この社会だ」と言う人は、人の弱さにつけ込んで大衆の指示を得たい人か、利益を得たい人だと僕は思ってます。
何なら、思考を止めて操りたい。
そんな意図まで見え隠れします。
僕がおすすめする成長の物語
僕がこれまでに読んできた色々な物語から、「成長」という視点で凄いと特に感じた物語を3つ紹介します。
「DRAGON QUEST -ダイの大冒険-」
「帯をギュッとね!」
「ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか」
の3本です!
DRAGON QUEST -ダイの大冒険-
まずはこの作品。
ドラゴンクエストシリーズを推していた少年ジャンプが、メディアミックスの漫画版としてスタートさせた作品です。
週刊少年ジャンプで1989年から1996年までの間の7年間連載され、単行本は全37巻になりました。
主人公の勇者・ダイと仲間たちが、世界を征服しようとする大魔王と戦うというストーリーです。
ゲームの企画漫画かー・・・と甘く見てはいけません。世界観や魔法の名前などはドラゴンクエストを踏襲していますが、繰り広げられるストーリーは全くの別物でかつ想像を超えて深いものでした。
めちゃくちゃ面白いのでぜひ読んでいただきたいと思うのですが、なぜ「成長の物語」として紹介するのかというと、特筆すべき成長キャラクターである魔法使い・ポップがいるからです。
ポップは物語の序盤から登場するキャラクターで、主人公の仲間として活躍するんですが、まあ最初は何と言うか・・・ショボいんですね。
強力な魔法こそ使うものの、腰抜けでヘタレです。
強い敵に遭遇するとすぐ鼻水を垂らして逃げようとします。
そもそもポップは武器屋の息子で、主人公のように竜の騎士の血を引いているとか、名のある魔法使いの息子だとか、背景は全くありません。
どんなピンチにも立ち向かい、持ち前のチートスキル「竜の騎士の血」を発動して強敵を倒していく主人公とは正反対の存在でした。たぶん、引き立て役として作られたキャラなんでしょうね。
そのポップがですね。
主人公と一緒に冒険を進めていくなかで、少しずつ、成長していくんですよ。
最初はすぐ逃げていたあのヘタレなポップが、圧倒的に強い敵にも勇気と知恵を振り絞り、仲間のためなら自分をかなぐり捨てて戦いを挑んで行くようになるんです。
やがて大魔道士マトリフに教えを受けて、彼は本当の魔法使いとしての実力と気概を持つようになります。この物語を通しての成長ぶりが凄いんです。
最終決戦では、精神的にも、実力的にも、もはやパーティーには欠かせない最強の大魔道士として活躍する。しかも、ポップには、泣かせるエピソードが満載なんです。
・記憶を奪われた主人公を守るために、ドラゴンクエストの伝家の宝刀、自爆魔法「メガンテ」を使う。
・勇気・慈愛・闘志・正義・純粋の5つの魂の力のうち、「勇気」を輝かせる。(「勇気」は主人公の勇者が光らせるのが普通!!)
・脱出不可能な罠から仲間を脱出させる。しかしこの時、戦っていた敵を見捨てることが出来ずに自身は脱出に失敗する。
読んでいるうちにきっとこう感じるはずです。
自分もポップのように成長できるかもしれない・・・!
帯をギュッとね!
次は少年サンデー連載のスポーツ漫画です。
帯を締めるスポーツといえば?そう、柔道です。
柔道漫画といえば「YAWARA!」や「柔道部物語」が有名ですが、僕の一番好きな柔道漫画がこの「帯をギュッとね!」です。
元々スポーツ漫画は成長を強く体験できるジャンルではあるのですが、なぜこの漫画を推すのかというと、成長に関して示唆が深いエピソードがあるからです。
主人公たちは柔道部がなかった高校に入学し、柔道部を立ち上げ、やがて全国大会に出場するまでの強さを身に付けます。
しかしそこで強豪校に完膚なきまでに負けます。
その後のエピソードです。
主人公は全国優勝を目指してがんばろうと言いますが、それに主将の杉が反論します。
「俺らは十分良くやったよ。でも、あいつらに勝つのは無理だ」
「あいつらは強いうえに、毎日長時間のハードな練習をこなしてる。俺らが頑張っても、元々強い奴らが同じ練習をするんだから、絶対に追いつけない。それを追い越すような練習をしたら、死んじまうよ」
主将の杉は勉強もできる秀才なので、理屈で考えるタイプです。
でも主人公は、「そうかなあ。俺は勝てると思うけど」と返します。
それに対して杉が「現実を見ろよ」的な話をするのですが、主人公はドン!!とホワイトボードを叩いて言い放ちます。
「俺は勝つぞ。鳶島だろうが、橘だろうが」
そして彼らは全国優勝を目指し、新しい練習方法に取り組んでいく・・・というのがそこからの展開です。
この熱い展開!
読むたびに「諦めるな」と励まされます。
既に大きな実力差があるからという理屈で諦めようとする主将と、同じ人間なんだから倒せない訳がないと根拠もなく言い切り成長しようとする主人公のぶつかり合いは、どこか今の社会を見ているような気がします。
今だからこそ読まれて欲しい作品です。
このエピソードだけじゃなく、全編を通じて小気味良いテンポにギャグ、ライバル同士の戦い、柔道についても知識を深めることができるこの漫画は本当にオススメです。
ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか
原作は小説ですが、僕が見たのはアニメです。異世界転生チートものではなく「ダンジョンもの」という作品で、今っぽいなと思いつつも食わず嫌いもアレだからちょっと見てみようか・・・と見始めたところ予想外に面白い作品でした。
なぜここに挙げたかというと、僕に「成長は物語の大きな要素だなあ」と改めて感じさせてくれた作品だからです。
最初は弱い主人公・ベルが、これまた弱い神様の加護を得てダンジョンに挑んでいく。それが成長を重ねていき、いつしか強大な敵を倒すような力を発揮するようになる・・・というのが基本ストーリーです。
僕はこの主人公・ベルがとても気に入ってしまいました。
・自分の弱さを認めている
・憧れる強者がいて、自分もいつかそうなりたいと思っている
・果敢に挑み、成長していく
最初は弱かったベル君が強くなっていく姿を見ているうちに、「やっぱり成長っていいよなあ・・・」とほんわかした気持ちになるのがこの「ダンであ」です。
可愛いビジュアルやゲーム世界的な世界観に惑わされそうですが、れっきとした成長物語なんですね。
他の2作品ほどの思い入れがある訳ではないのですが、最近の作品ということで挙げさせていただきました。
Amazon Primeで観ることができるので、利用している人はぜひ観てみてください!ベル君の成長に惚れてください!
・・・と言う訳で久しぶりの3000文字チャレンジでした。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!