第一章「選択」、第二章「成長」、第三章「運と縁」では、人生を自由に生きるための「ものの見方・捉え方」が紹介されていた。
第四章「解釈」は、これまでの三章とは少し色付けが異なっていた。僕が理解したのは、
「困難を乗り切るための技術」
が書かれた章だということだった。
第一節のまとめに書かれている、
持たざる者の逆襲 P109
- 解釈の仕方は自分で決められる
- 事実は変えることはできないが、解釈は変えることができる
- 人生において自由を摑みやすい捉え方をしろ
を「解釈」の基本と捉え、第二節以降では幾つかの事例における解釈の仕方を紹介している。
どれも説得力のある思考法だった。第三節の「コントロールできるところに自責であれ」では、7つの習慣における「主体的である」に共通しており、本質的なものの捉え方をしていることが感じられた。
だが、ふと考えた。
成長を目指すというポジティブな物語ではなく、「困難に立ち向かう」というネガティブな要素を含んだ物語をなぜ語らなければならなかったのか、と。
それは、こういうことだろう。
人生には必ず困難が訪れる。
物心ついた時点で困難な環境にいる人もいれば、ある日突然、自分が想定もしていない困難に襲われる人もいるだろう。
必ず訪れる困難にどう立ち向かうか、どう「解釈」するかが、自由を摑む生き方のためには必要であるということを、溝口さんはこれまでの人生の中で身をもって体感したからではないだろうか。
だから、重みがある。
必ず訪れる困難にどう立ち向かうか、それは人生において欠かすことのできない要素であり、その時のための技術として「解釈」があることを、どうしても伝えたかったのだろう。
そう考えれば、困難もまた、人生の一部として忌避ばかりするものではないのかもしれない。
どう立ち向かうのか。
それもまた「選択」であることを考えると、不思議と立ち向かう勇気が湧いてくる気がした。