霧島もとみです。
今日は珍しい書評をお届けします。
何が珍しいのかというと、著名な作家や経営者が書いた本ではなく、ツイッターでフォローしているシンタロー@定時帰りの営業課長さん(@sintarozevo)さんの書籍だということ。
その名も!
「なぜあの営業課長は売上右肩上がりなのに定時で帰れるのか」
ツイッターでフォローしている人が本を出すのは初めての経験。私自身は営業職でも何でもないのに、少々興奮しながらAmazonでポチリました。
そしてすぐに届きました。
ということでさっそく・・・と言うには時間が経ちすぎてしまいました。すみません、実生活で色々あったもので・・・。しかしながら、その中でかろうじて書き上げたレビュー記事を投稿させていただきます。
贔屓目なしの真剣レビューです。どうぞよろしくお願いします。
はじめに:ペーパーバックという形式に軽く驚いた
なぜ定の製本版はペーパーバックという形式です。簡易な形式のもので、並製本とか、仮製本とか呼ばれるものだそう。
あ、なぜ定というのは、みなさんご存じのとおり「なぜあの営業課長は売上右肩上がりなのに定時で帰れるのか」の略称です。なぜなに定食ではありませんよ?
もしドラみたいなものですね。
実は、ペーパーバックの本を買うのはなぜ定が初めての経験。というかペーパーバックなんて初めて聞いたよ?読書が趣味でかつ製本版が好きな私としては興味が湧くばかり・・・で、実際に届いてみると軽く驚きました。
本、薄っ!!
そしてシンプル!!
構成もすごくシンプルです。
図解・イラストは無し、文字の強調も無く、中見出しは本文と区別がつきにくい仕様。
唯一のイラストは表紙のみ!
テキスト真っ向勝負だオラァァァァァァという気迫が伝わってきます!
これがペーパーバックというものか・・・。
一般的な書籍のイメージを勝手に膨らませていた私としては(えっ、これで946円・・・)という考えが少なからず浮かばずにはいられませんでした。
はい。本の内容とは全然関係ありません。でもどうしてもペーパーバック初体験の驚きを書いておきたかったのです。大変失礼いたしました。
ということで遠回りになりましたが、内容のレビューに入ります。
概要の紹介:「なぜ定=できるビジネスマンの経験談」
なぜ定の内容は、次の項目にギュッと凝縮されます。
- ムダを徹底的に削減する
- 部下に役割を与えて動かす
- これが「売上右肩上がりで定時で帰れる」理由
最初と最後に繰り返し書かれているので間違いありません。
これが全て!と言っても過言でなく、本の内容は「じゃあ、これを実際にどんな風にやっているかをお話しましょう」という感じの構成です。
シンタローさんという「できるビジネスマン」の経験談と言ってもいいでしょう。
そう。できるビジネスマンの経験談がなぜ定なのです。
ちなみにですが、一つ一つのエピソードに革新的な情報はありません。
情報やノウハウという切り口から評価すると、「時間」「効率」「部下のマネジメント」がキーワードになるようなビジネス書であれば、正直なところ大抵どこかには書かれているような内容です。
じゃあなぜ定に読む価値は無いのか?いえ、あります。あると思います。
それは何故かというと。
シンタローさんという「定時帰りの成功者」によってパッケージングされた経験談&意見だからです。
理論ではなく実体験。
なかなか聞ける機会って無いですよね?
どんな経験をしてきたのか?どんな考えと行動で道を切り開いてきたのか?これを聞きたい・知りたいというのが私の読書の動機なわけで、この本はそれに十分「面白い!」で応えてくれるものでした。
そして面白いだけでなく、しっかりと考えさせられる体験も与えてくれました。
例えばここ!
「重要度が低い、時間がかからない」項目は、2番目と4番目にやれというメッセージ。奥が深くないですか?えっ?誤植じゃないかって??いやいやそんなことある訳ないじゃないですか!シンタローさんですよ?
・・・ってすみません。また横道に逸れてしまいました。
それではなぜ定で考えさせられた3つのことを紹介させていただきます。
なぜ定で考えさせられた3つのこと
その1:「定時で帰る。何がなんでも残業しない」がまず最初!
こんな事を聞くと、ああ総務が言いそうなことだなあ…とか、仕事は減らねーのにできるわけねーだろ…とかつい考えがちです。私もそう思う節があります。
しかしシンタローさんは、この建前くさい「定時で帰る!」という考えを持つことがまず最初だとしています。
総務の呼びかけと一緒ジャン…とちょっと思いましたが、すぐに違う箇所に気付きました。それは主体性です。
総務に呼びかけられるのではなく、自分自身が「定時で帰る!」という意識を持つこと。主体はあくまで自分であること。ここが違うなあと感じました。
受け身じゃだめ。これが1つ目。
その2:自分自身の残業経験を振り返る
ちょっと前になりますが、私は残業の多い仕事のやり方をしていました。超過勤務が月100時間を超えるのは当たり前。日付が変わってから退社するのも頻繁で、深夜0時の時計を見て「あっ、昼食の時間だ…」とイカれた勘違いをよくしていたものです。
でも。この時の状況下ではそれが普通だと思ってたんですよ。
仕事は山積み、部署内の他人で代替することも難しく、「時間を投入すればなんとか処理できる」ことが見えていたので残業するのは当たり前だと。
なにせ仕事を終わらせなければならない。その責任感を強く持っていて、その手段として自分の超過勤務を投入する(せざるを得ない)状況だと理解していたんです。
そんな状況だから「定時で帰る」モチベーションなんて全くのゼロでした。
ところが山場を超えたところで組織的に「もう残業はしちゃ駄目よ(てへ)」的なご指導を受けることになり、急転直下、きっちり定時で退社する生活に様変わりしました。
そこで「定時帰り」の生活がどんなものかを思い知らされたんです。
家族と過ごす時間があり、趣味や勉強などの自分研鑽をする時間があり、十分な睡眠で健康を意識することもできる生活が実は存在するということに、(正確には「久しぶりに」かもしれませんが)気付けたんですね。
残業が当たり前の時代には全く想像もできなかった生活です。
以前の「残業が当たり前の生活」には戻れない、戻りたくないと考えるようにさえなっていました。
シンタローさんは「定時で帰る」とう意識を持つことが大事だと話しますが、この意識を主体的に持つためにはひょっとして、まず「残業しない世界線の価値」を知ることが大事なのではないかということを、自分の残業経験から考えさせられました。
残業って、やってる時はそんなに辛いものではないんですよ(もちろん状況によりますが)。集中できるし、粛々と仕事は進むし、超過勤務手当で給料はとりあえず増えるし…。
そんな状態ではとてもじゃないですが「定時で帰る」なんて意識を持つことは無理じゃないかと。
「定時で帰る」世界線の価値観、メリットを強く持たなきゃなあと改めて強く感じました。
その3:やっぱり本はいいなあ。
Twitterそしてブログで知った方の本を読むという初めての経験から、
「やっぱり本という媒体はいいなあ」
と改めて感じました。
何が良いかというと、
・没頭できる
・一気読みできる
・指で存在感を味わえる
という事です。見やすい図やイラストはなく、文字をシンプルに印刷した状態の本だったことが、尚更この点を感じやすくしてくれていたと思います。
もちろんシンタローさんの文章が読みやすいという事もあるのですが、やはり本というメディアの特性が大きいでしょう。
デメリットといえば「コストがかかる」「保管場所を取る」という事でしょうか。でも、全然メリットの方が大きい。没頭感は、そのまま理解度につながりますからね。
ドキドキでしたけど、やっぱり買って良かったと思います。
おわりに
ということでシンタローさんの初の書籍であるなぜ定の感想を書き殴らせていただきました。
一般的な「ビジネス書」と比較すると、値段に対しての情報密度は正直なところ高くないと思います。
しかしシンタローさんと絡んだことがあれば十分楽しめますし、もちろん仕事の参考にもなります。
シンタローさんの読みやすい文章で頭がスッキリするという副次効果も。
ていうか、もしこれだけの話を仕事のできる先輩に聞こうと思ったら、飲み代だけで数万円は当たり前にかかります。そう考えると、コスパ的には超お得!と言えるでしょう。
本ならではの時間効率の良さもありますし。
ブログから書籍化したという物語性を感じるもよし、定時に帰る仕事のあり方を強く心に刻むもよし、シンタロー物語を味わってみてはいかがでしょうか?
ということで、なぜ定の感想でした。
シンタローさん、面白い本を世に出していただきありがとうございました。
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