こんにちは、霧島もとみです。
東大クイズ王として有名な伊沢拓司さんの「勉強大全」の感想です。
東大現役合格と高校生クイズ2度優勝という実績の東大クイズ王・伊沢拓司の勉強法は一体どんなもの?ということで読んでみました。
というのも私自身が中学生の子どもがいる親でして、子どもにどんな風に勉強方法を教えていくか…に日々苦労していたからです。
読んでみてまず驚いたのが、伊沢さんが中学に入学してから高校2年の12月までクイズ漬けの日々を送り、落第しない程度の勉強しかしていなかったことでした。
開成高校という超エリート校のトップクラスの人間かと勝手に思っていたのですが、むしろその時点では落ちこぼれといっていい状態だったんですね。そこから現役での東大合格までたどり着いた勉強法ということで期待はグンと高まります。
そしてその通り。
これは使える!という納得の内容でした。
- これから受験に挑戦する人には間違いなく役に立つ!
- 理屈がしっかりと通っている!
- 自分の受験経験から考えても納得!
- ただし「誰でもすぐ使えるノウハウ」を教える本じゃないから注意!
という訳で「勉強大全」のおおまかな内容と、私の受験経験を踏まえた感想などを紹介させていただきます。
これから受験に挑戦する人、受験を将来に控える子どもの親の参考になれば幸いです。
「勉強大全」のおおまかな内容はコレ!
この本は「ひとりひとりにフィットした勉強法」がコンセプトです。
ここでいう勉強法は、いわゆる「こうしたら効率が激上がりする!」というようなノウハウではなく、
そもそも受験とは?受験が人生の役に立つのか?その原理や目的は何か?といったような「勉強の戦略」を勉強法として紹介しています。
例えば大学受験の目的が何か?という話では、次のように定義しています。
- (入試)本番で点を最大化すること
- 目標となる大学に合格すること
そしてこの目的を達成するためにどのような戦略・戦術を立てていくか?ということを順序立てて紹介していきます。ざっくりまとめると次のとおりです。
- 著者にとって勉強法とは「歩く方向」、努力は「歩く距離」
- 目標と自分の位置(状態)によって方向や必要な距離が違う
- 万人に最適な勉強法は存在しない
- 自分の位置を知る+対策を練る=勉強法が分かる
え?どういうこと?と思う方もいるかもしれませんが、受験の「勉強法」の原理・原則をずばり言い当てた内容です。
この本では、この原理・原則の説明にかなりの分量が割かれています。それを踏まえた具体的なノウハウも少し紹介されてはいますが、メインは「勉強法の原理・原則論」です。
その理由は、ここを外してしまうと「目的の達成に結びつかないムダな努力」になってしまうからです。逆に言えば、「ムダな努力をしないための原則論」だともいえます。
少々遠回りに思えるかもしれませんが、受験勉強というもの原理・原則を踏まえることが、結果的に最短距離で目的に辿り着けるというのが著者の考えです。私もそのとおりだと思います。
この本で受験の原理・原則を理解すれば、その結果として「ひとりひとりにフィットした勉強法」を自分で見つけることができる。
これから受験に挑戦する人には間違いなく役に立つ!と自信を持って言える理由です。
受験経験を思い出しても納得の内容!
今からもう20年前以上で恐縮ですが、私も大学受験に挑んだ1人です。
旧帝国大学と言われる国立大学や早稲田大学に現役合格しましたので、東大や京大ほどの受験エリートではないものの、そこそこには受験で成果を出せたと思っています。
この時に、「勉強大全」に書かれていることを偶然にもやっていました。例えば次のようなことです。
- 対策を考える
- 自分の攻略法をつくる
- 自分の責任でする
- 間違った答案は「どこを間違えたか?どう間違えたか?」をチェック&暗記する
「対策を考える」「攻略法をつくる」とは自分の状態を把握し、目的の大学に辿り着くまでの努力の方向と量を決めることでした。
問題集や参考書を選ぶために書店で何時間も見比べて考え、何をどれくらいするのかも全部自分で決めました。
「これで駄目だったら全部自分の責任だ。やるしかない」という覚悟で臨み、なんとか現役合格を果たしました。
この自分の受験経験からも、「勉強大全」に書かれていることは理にかなっていて、かつ実践的だと納得できるものでした。
もしもこの本を先に読んでいたらもっと効果的な受験ができたのに!というな気持ちが今さらですが少し湧いてきます。ちょっと悔しいです。
「子どもに読んでもらえるかなあ?」と不安もあるけど…?
ということで「この本は役に立つよ!」というテンションで紹介してきましたが、ただし、読んだ全員に対して絶対に役に立つという訳ではなさそうです。正直なところ、人を選ぶ本でもあると思いました。
まず分量が多い!
366ページ、厚さ約2.3㎝という分厚さ。そこに文字がびっしり書かれている状態。
読むハードルが高くない?と思いました。
いくら役に立つと言っても、うちの子はなかなか読みそうにありません。
また、「すぐできるノウハウ」「これさえやれば大丈夫!という太鼓判」を求める風潮とは真逆の方向性の本なので、内容が理解されるまでにずいぶんと苦労するんじゃないかという気がします。
多分ですよ?
私のような親がたくさん買っているんじゃないかと思うんですよ。でも、放っておいたら間違いなく本棚の肥やしで終わりです。
実はこの本、私が買ったものじゃなく、妻がテレビの影響で買ったものでした。そしてそのまま誰にも読まれることなく本棚に眠っていたものを私が発見して読んだというのが正直な経緯です。
読んだら「面白い!」「理にかなっている!」「絶対役に立つ!」と思えるんですけど、「絶対XX大学に行きたい!」「XX高校に行きたい!」というような強烈な目的意識がないとちょっと難しい本かなあ、という気がします。
・役には立つけど、どうやって子どもに伝えようか?
・どうやって読ませようか?
・どうやって興味を持たせようか?
親としては一工夫必要な本だなあというのが正直な感想です。
でも価値があるのは間違いないので、何とか読んでもらうための方法を考えていきたいです。
いくら親が良い!と思っていても、受験するのは子どもですから。
あ、なので、強い目的意識を持っている中学生とか高校生なら読むべき本だということは言えます。
まとめ
以上、「勉強大全」の内容と感想を紹介しました。
- これから受験に挑戦する人には間違いなく役に立つ!
- 理屈がしっかりと通っている!
- 自分の受験経験から考えても納得!
- ただし「誰でもすぐ使えるノウハウ」を教える本じゃないから注意!
この本に書かれているように、一つの勉強法として「信じる→疑う→信じる」のステップでまずはこの本を実践してみてはいかがでしょうか?
ずばり。受験のバイブルになる可能性を秘めた本だと思います。
ああ、そしてどうやって自分の子どもにこの本を読んでもらおうか…。
しばらくは悩ましい日々が続きそうです。