「持たざる者の逆襲」は多くの気付きを得ることができる本だった。それだけでなく、溝口さんの存在を背中に感じ、応援の心を感じる、心が動かされる本だった。
しかし。
もう自分は46歳。今の自分の状況は決して良くはなく、病気もあり、また、組織での行末もなんとくはイメージが出来るような状態。
それが今更、どうなるのだろうか。正直、そんな思いがどうしても自分に付きまとってくる。
サイドブレーキが勝手に引かれようとする。
そんな僕の心を見透かしたような一節が「おわりに」に書かれていた。
あなたの残りの人生は、言い訳や後悔を並べて生きていくにはあまりにも長すぎるはずだ。
「持たざる者の逆襲」P168
そうだよ。
仮に65歳まで働くとしても、あと20年近くは残っている。80歳まで生きるとしたら、更に15年が追加される。決して短くはない時間だ。
それを言い訳と後悔で埋め尽くすのか?
自問自答すると、こんな感情が浮かんでくる。
嫌だ。
それよりも、わずかでも、自由を掴みたい。
そのためにも、これまで自分が蓄えてきた知識・経験や生き方に、この本を指針に加え、残された1日1日を生きていきたいと思う。
持たざる者の逆襲とは、溝口さんのこれまでの人生であり、これからの自分の人生でもあった。
死ぬ時にそう思えるよう、生きていく。