【書評】「反応しない練習」あらゆる悩みを消す合理的な方法!

こんにちは、霧島もとみです。

今日は草薙龍瞬さんの「反応しない練習」を紹介します。

この本はYouTouberマコなり社長のチャンネルで知りました。

あらゆる「悩み」を消す合理的な方法という動画です。

  • 論理が通っていて実に合理的
  • 人生で読んでよかった本ベスト5に入る
  • 過去に十万円以上払って公式のマインドフルネスセミナーに参加したけど、この本に書かれている内容とほぼ同じだった

というようにかなり強く推していました。

動画の内容がとても分かりやすく、かつ実践的なアクションプランが紹介されていて大変ためになったこともあり、早速注文!

仏教の合理的な思考を学べ、また、気付きも多い本でした。

私のように悩み癖がある…という方には必読な1冊です!

「反応しない練習」はこんな本

著者の草薙龍瞬さんは僧侶です。

本の内容は仏教の、その中でも原始仏教と言われるブッダの教えそのものがベースです。書中でもブッダの言葉が都度引用されています。

悩みや心の苦しみの原因は「心が反応すること」だとし、

  • 心が反応してしまうメカニズム
  • 反応しないことで得られる効果
  • 反応しないための方法論

が主に書かれています。

これまでに私が読んできた仏教・禅・マインドフルネスに関する本と、内容は割と重複しています。

どれもブッダの教えがベースなので当たり前ですね。

そんな中、この本の特徴は「分かりやすさ」にあると感じました。

「反応しない」ということを主軸に置き、論理的に展開する構成で書かれていて、とても理解しやすかったです。

都度挿入される著者の体験やブッダのエピソードもタイミングが良く、具体的なイメージが湧きやすい。

「反応しない」ことで悩みが無くなるという論理が十分に理解できるだけでなく、仏教の論理的な思考法に触れる入門書としても優れた本だと感じました。

「反応しない」は心理学的にも納得できる

「反応しない」とはどういうことなんでしょうか。

本の冒頭から2か所引用します。

人はなぜ、悩み、執着を手放せないのか。なぜ日ごろ、さまざまな問題を抱えてしまうのか。そうした悩ましい現実を作り出しているのは、”心の反応”であることが、明らかになってくるのです。

”執着”以前に、悩みを作り出しているものがるのです。それが”心の反応”です。

これを避けるために心がけることとして「ムダな反応をしない」ことを説き、そのための方法論として(1)心の反応を見ること、(2)合理的に考えること、を紹介しています。

これを「反応しない」ことだとしています。

「心の反応が悩みを作り出す」というのは2000年前からある仏教の考え方ですが、実は、最近の心理学の中でもこれと似た学説が展開されています。

情動の認知評価説というものです。これに当てはめて考えると、とても合理的な考えだと納得できました。

図:情動の認知評価説

引用:「心理学」東京大学出版会より

何か原因が生じたとき、まず最初に認知的評価が行われ、その結果として情動の反応が生じるというのが大まかな説明です。

「反応しない練習」の内容を当てはめると、認知的評価が「心の反応」であり、その結果として生じる情動反応が「悩み」ということになります。

「ムダな反応をしない」ことは認知的評価を変えること。最初の時点で流れを断ち切る、あるいは良い流れに変えることで、その後の情動反応をそもそも起こさない。あるいは有益な反応に変える、これが反応しないことの効果になります。

「反応をしない」は現代の心理学から見ても納得な内容でした。

ブッダは凄い…。

先ほどの心理学の話もそうですが、現代の自己啓発本で言われているエッセンスに通じる内容がブッダの教えには含まれていることを改めて感じました。

例えば、”罵倒するバラモンとの対峙”というエピソードで紹介された、「相手の反応は相手にゆだねる」という考え方があります。

これはアドラー心理学で有名な「課題の分離」に通じる考え方です。

例えば、「反応しない」ことで悩みを作り出さないという考え方は、世界的なベストセラー「7つの習慣」の「第一の習慣:主体的である」に通じます。

例えば、瞑想の有用性。Googleがマインドフルネス瞑想を取り入れていることが有名なように、世界中でその有用性が再認識されています。メンタリストDaigoさんは「歩行瞑想」が最強のツールだということをよく動画で話しています。

この他にも、書中に書かれている様々なことが、心理学や現代の思考法に通じることがたくさんあって驚かされました。

現代の心理学は、長年に渡って研究を積み重ねて理論体系が構築されたものです。自己啓発本も心理学その他の研究を下地にしてまとめられています。

一方、ブッダは何をしたかというと、当時のバラモン思想の影響ももちろんあったとは思いますが、基本的には瞑想により自分自身の内観を突き詰めて様々な気付きを得たとされています。

自分自身の内観、つまり心の作用を見ていくことで、その後2000年経っても通用する本質的な気付きを得たということ。

普通に考えて凄すぎですよ。そして極めて合理的。

私は仏教徒ではありませんが、この本を読むことで「ブッダさん凄い…」と改めて気付かされました。

と同時に、人間という動物は2000年程度では基本的な性質が変わっていない、という事も言えるかなと思いました。

でも「練習」は必要!

さて本書のタイトルは「反応しない練習」ですが、実際にどんな練習をするのかまでは詳細には書かれていません。

いや、書かれてはいます。ですが、分量としては少ないのと、どちらかというと「反応しない」ことが必要だという根拠の説明が主になっているので、

これで出来る!反応しない生活の10ステップ!

みたいなノウハウ的な内容にはなっていないんですね。

でも、とりあえずは書かれている内容を実践することで、「反応しない」状態に近づくことは出来ると思います。

こういう心の技術というものは、実際に自分自身で身に付ける必要があります。

運動と一緒です。正しいフォームの知識があっても、実際に体をそのフォームで動かせなければ意味がありません。

この本には「反応しない」ことの効果を理論だけではなく、身体感覚を伴って実感する方法も紹介されています。

まずは理論を知り、実感して、練習して実践する。

とても分かりやすく、腹落ちする内容の本でしたので、自分自身の生き方の一つに組み入れてみたいと思います。

そのための「練習」も日々の生活の中に取り入れていこうと思います。

マコなり社長おすすめのとおり、読んでよかった本でした。

 

ちなみにこの「反応しない練習」ですが、今ならAmazon Kindle Unlimitedで読むことができます(2020年6月23日時点)。

月額980円で対象書籍が読み放題のサービス。初回登録なら30日間は無料で使えて、いつでも解約可能なので「反応しない練習」を実質無料で読むこともできます。

読める本は都度更新されます。新しい本が追加されたり、対象から外れたりすることがありますので、読める時に読んでおくのがオススメです。

 

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