【日記】声が出せることが本当に嬉しいと思えた日。

2年前に難病で全身の筋力が大幅に低下しました。

病気が進行してからは足と腕が上がらなくなり、歩行や階段昇降、寝返り動作などに支障が出るようになりました。

大変に不便でもあり、同時に大きな喪失感を覚えましたが、

中でも辛く悲しかったのが声が十分に出せなくなったことでした。

喉の筋力が低下し、嚥下や発声に支障が出るのがこの病気の特徴の一つで、漏れなく私にもその症状が出てしまったのです。

何ということでしょう。

心の支えだった趣味の一つがカラオケ

つまり歌うこと。

決して上手ではありませんでしたが、カラオケ演奏をバックにメロディーを追い、歌声を響かせることを心から楽しみにしていました。

それが病気によって突然奪われてしまったのです。

歌おうとしても張った声が出ない。

喉の筋肉はすぐに硬直し、声はかすれ、ましてやハイトーンを出すことなど絶対に無理な状態になっていました。

ああ、もう以前のように歌うことは出来ないんだな。

何度もそう思い、その度に大きな悲しみの情動に打ちひしがれたことを覚えています。

落ち込む男

でも治療により症状は徐々に緩和し、筋力も少しずつ戻ってきました。

同時に、喉の筋肉も少しずつ戻ってきていたんですね。

2年の時間をかけて、ある程度は普通に話しても喉が疲れないようになってきていました。

そうしてポケカラというカラオケアプリに出会い、もう一度歌い始めてみたところ、少しずつですが歌声が出るようになってきたんです。

そんな中、今日のことでした。

気のせいかもしれませんが、

病気を発症する以前と同じような声で歌えた気がしたんです。

アプリの音響効果のせいかもしれませんが、

あるいは以前よりも良い声が出せたかもしれない、

そんな声で歌えた気がしたんですね。

そう思えた時、心の底から大きな喜びの感情が沸き起こってきました。

もう終わったと何度も思いました。

その度に「いいやまだ終わりじゃない」と言い聞かせて希望を信じてきました。

2年間の蓄積された葛藤が一気に昇華したのかもしれませんが、とにかく嬉しくてたまりませんでした。

ただ声が出せることが本当に嬉しいと思えた日。

それが今日でした。

 

ということで、聴いてください。

チェッカーズで、「room」。

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