霧島もとみです。
愛媛県・東温市にある坊っちゃん劇場でミュージカルを観てきました。
いきなりですみません。
東温市ってどこ?
坊っちゃん劇場って何?
っていう話ですよね。
でもですね、僕はマジで坊っちゃん劇場のミュージカルに感動して、涙と鼻水を全開で流してしまったんですよ。
坊っちゃん劇場、おそるべし。
ということで今日は、人口たった34,000人クラスの田舎の市に専用劇場を構える、おそるべし坊っちゃん劇場のレポートをお届けします!
坊っちゃん劇場とは?
実は僕も、坊っちゃん劇場についてほとんど知りませんでした。
愛媛に住んでいるので「坊っちゃん」の名前を冠した施設が「また」出来たことは知っていましたが、それ以上の興味がなかったんですね。
(※愛媛県・松山市周辺ではなにかと「坊っちゃん」の名前をつけたがります)
一体どんな施設なんでしょうか?
公式ホームページから概要を引用します。
■ 坊っちゃん劇場の概要
坊っちゃん劇場は、日本でも極めてめずらしい地域拠点型劇場です。
芸術と観光の融合による新たな文化発展の可能性を探ろうと、平成17年に設立しました。四国や瀬戸内圏の歴史や伝統文化、偉人を題材にした舞台作品を愛媛から全国へ発信する文化特使を目指し、自主制作のミュージカル作品を1年間上演する日本で唯一の劇場です。
地域拠点型劇場?
聞き慣れない言葉ですが、どういう意味なんでしょう…
これまでの作品を見ると、
- 坊っちゃん!
- 吾輩は狸である
- 龍馬!
- 鶴姫伝説
- 正岡子規
- 誓いのコイン
- 幕末ガール
- げんない
- 道後湯の里
- お遍路さんどうぞ
- 52days〜愚陀仏庵、二人の文豪〜
- よろこびのうた
どうやら愛媛や四国にゆかりのある人物や出来事を題材にした作品を上演してきたみたいです。
めっちゃマニアックですね。
うがった見方をすれば、その地域の内輪ネタで盛り上がろうみたいなノリってことですかね。
なんか田舎くさくないですか?
ちなみに客席数は452だそうです。
大阪四季劇場の客席数は1,119だそうなので、比べると約4割の規模。多いのか少ないのかは分かりませんが・・・。
僕のミュージカル経験と坊っちゃん劇場
ミュージカルは勿論見る専門です。
といっても見たことがあるのは劇団四季だけ。
めちゃくちゃ偏った経験値しかありません。
でも、
- オペラ座の怪人
- ライオンキング(3回)
- 美女と野獣
- ウィキッド
とそれなりに回数は見ているので、ミュージカルがどんなものかは何となく知っているつもりです。
そして劇団四季のファンです!
四国からはどの劇場も遠く、なかなか観に行けないのでフラストレーションが溜まるばかりです。
ならせめて、坊っちゃん劇場でも見てみるかというのが今回の思いつきでした。
正直なところ、
まあ大したことないんだろうなー
と高をくくってました。
だって人口34,000人の東温市、人口135万人の愛媛県にある地域拠点型劇場で、
しかも今やっている公演の題材は
新居浜の別子銅山
ですよ。
どんだけローカルなんだという。
しかも見に行くのは平日。
下手をすれば観客なんてほとんどいないんじゃ・・・などという心配までしつつ、完全に侮りモードでした。
いざ坊っちゃん劇場へ!
坊っちゃん劇場は東温市のレスパスシティという複合施設の一角にあります。
出来た当初こそ「四国初のアウトレットモールが出来た!」というような興奮を巻き起こしたのですが、その勢いは長く続かず、気がつけば寂れた感じが漂う哀愁ある施設へと変わっていました。
久しぶりに訪れたレスパスシティは、やはりどこか寂れ感を漂わせていました。平日なので尚更・・・というところはあると思います。
どうですかこの駐車場のガラガラ振り。
ちなみに平日の午前10時過ぎです。
さて、目的の坊っちゃん劇場は敷地の一番奥にあります。
意外にも(?)立派な施設外観。
劇場の眼の前の駐車場まで空いているのがちょっと考えさせられるところですが、気にせず行きましょう。
チケットを購入して劇場内へ。
この日の公演は「瀬戸内工進曲」ということで、入り口横にタペストリーが飾られていました。
協賛企業でしょう、「SUNTORY」のロゴにおおっと驚かされます。
その前にチケット売り場に置かれていた「チラシご自由にどうぞ」というPOPを紹介しておきます。
この手作り感がたまらないですね・・・!
劇場内にはシンボルとなるモニュメントが飾られています。
腰掛けているのは愛媛が産んだ俳人・正岡子規ですね。
さすがです。
写真スポットでしょうか、高さ2mはあろうかという演目の看板も置かれています。
中には売店もあります。
坊っちゃん団子などのお土産もここで買うことができます。
劇場はこの売店の奥から入って行きます。
お茶を一本買っていざ劇場へ!
劇場へ入ってみると意外な光景が!
繰り返しますが、この日は平日の午前中10時半からの公演でした。
駐車場がガラガラだったことを重ね合わせると、どれだけ客が少ないんだろう…とちょっと怖さを覚えていました。
ただ不思議なことに座席はほぼ一番後ろの列だったんですよね。
まさか、満席だとでも?
いやいやまさか・・・
あんなに駐車場はガラガラだったのに。
ホールに人気もほとんどなかったのに。
そんな疑念を抱きながら、僕は重みのあるドアを押して劇場内へと入りました。
(ここからはスマホが使えないのでテキストのみでお届けします)
ん??
僕は我が目を疑いました。
こ、
高校生だらけ!
高校生で劇場が埋め尽くされている!!
だから座席が一番後ろだったんだね。
引率の先生に聞いてみると、地元愛媛の2つの高校が遠足で観劇に来ているとの話でした。
なるほどこういうニーズがあるのか…さすが地域密着型劇場だ…と少しざわざわしながら席に座りました。
会場の95%が高校生という光景は圧巻です。
なんだか自分も高校生じゃないのかという錯覚を覚えてしまいました。思わぬところで貴重な経験をさせてもらいました。
「間もなく開演しますので席に座ってくださーい」
「ケータイはマナーモードか電源を切ってくださーい」
と注意を呼びかける人が。
見た目は完全に高校の先生でしたが、実は劇場の職員さんでした。
いやいや、劇場の制服とか作って雰囲気を盛り上げようよとここは心の中でツッコんでおきました。
という訳でいよいよミュージカルの開演です。
ミュージカルが始まった。まさかの感動が…!!
第一幕が始まりました。
笑いと地元ネタを織り交ぜながら、淡々と物語は進んでいきます。
遠足テンションで高校生の反応が良いのでしょうか、会場の反応もなかなかに良いものでした。
そして僕はというと、
なかなか面白いじゃん…
と感じていました。
ネタのところでは爆笑とはいきませんが、しっかりと高校生を笑わせています。
(でも高校生といえば、しかも遠足といえば箸が転んだだけで笑うしきい値の低さだ。そんなんじゃ騙されないぜ…)
どんどん話は進みます。
主人公に母親がお見合いを迫る場面で、ヒロインが健気に身を引こうとする場面があり、
僕はといえば
泣く一歩手前まで追い詰められていました。
もう完全に引き込まれてしまっていたんですね。
さて、10分の休憩を挟んで後半・第二幕へと進みます。
「男と女の関係なの?」のセリフに高校生達がざわついてたのが面白かったですね。
さて、話自体はベタと言ってもいい内容でした。
身分が違う男女の揺れる恋物語がメインにあり、導入部からの伏線のオチも大体読めるような感じで話が進んでいっていました。
正直僕も、
何だよこの読める展開…
と思っていたのですが、しかし同時に、
なのに何でこんなに心が揺らされるんだ。
という不思議な感覚を味わっていました。
その心の揺れは終盤に差し掛かるにつれ加速していき、その結果僕は号泣していました。
何にそんなに感動したのかよく分からないまま、
気が付いたらハンカチで涙と鼻水を拭いてました。
めっちゃ楽しかったです。
坊っちゃん劇場おそるべし、でした。
まとめ:坊っちゃん劇場はオススメ!!
僕は劇団四季しか見たことがないので、ミュージカルについての細かな要素は分かりませんが、
少なくとも僕は感動を味わうことが出来ました。
めっちゃ楽しめました。
多少気になるところもありました。例えばこんな点です。
- セリフの噛み
- 早いセリフの若干の聞き取りにくさ
- 露骨なローカルネタで観客を「現実の世界」に引き戻してしまうセリフ回し
- 別子銅山のストーリーが実はおまけ程度しか触れられてなかった
でもまあ、全体を通して見ればミュージカルへの没入感を損なうものではなかったと思います。
それよりも味わった感動の方に圧倒的な価値がありました。
僕の中で、完全にオススメのエンターテイメントへと変わりました。
これからは自信をもってオススメしていきたいと思います。
愛媛県民ならなおさら!
「どうせ愛媛の田舎だから…」という地元への消極的なディスりは少し封印して、純粋にミュージカルを楽しんでみてはどうでしょうか!
流す涙は心のデトックス。
愛媛は東温市、坊っちゃん劇場へぜひ一度足を運んでみてください。
最後まで読んでいただきありがとうございました。