マイノリティへの憧れと魔界学園の魅力について【3000文字チャレンジ】

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こんにちは、霧島もとみです。

3000文字チャレンジです。

今回のお題は「マイノリティ」。ぱっと思いついたのは「マイノリティ・リポート」というトムクルーズ主演の映画のことでしたが、今さらレビューを書く映画でも無く、別の可能性を模索することにしました。

その結果、自分自身のマイノリティへの憧れを振り返った日記的な記事を今回は書きました。

自分を縛っていたマイノリティへの憧れと、魔界学園という漫画の魅力を記憶だけで書くという良く分からない記事が仕上がりましたので、お届けさせていただきます。

マイノリティへの憧れ

思春期の頃、私はマイノリティへの憧れを抱いた「中二病」全開な男でした。

マイノリティという言葉を意識していた訳でもなく、そもそもそんな言葉は知らなかったのですが、どことなく「メジャーなものへの反発心」を私は持っていました。

メジャーなもの。

例えば野球のジャイアンツ。

音楽ならB’z。

高校生活なら運動会。

大勢の人が知っていて、一緒に楽しむ。どうしてかその光景に馴染めない自分がいて、それに染まることを良しとできず、その対象になるものから自分を遠ざけるようになっていました。

その傾向は当時から好きだった「漫画」にも影響を与えました。

中学校~高校の頃は色々有名で魅力的な漫画がありました。「ジョジョの奇妙な冒険」「はじめの一歩」「3×3EYES」「湘南爆走族」「特攻の拓」「稲中卓球部」「シュート!」「俺たちのフィールド」などなど、たくさんの記憶に残る漫画が私を魅了しました。

そんな中、漫画好きが頭を悩ませるのが「どの漫画を買うか」という問題です。

いや、もちろん好きな漫画を買えばいいんですよ。

ただそれだけなんですけど。

でもここには問題があります。それは「お小遣いの範囲」という思春期ならではの経済的な制約が発生することです。

アルバイトもしてませんでしたから、漫画を買うのに使えるお金は「毎月の小遣い」「お年玉の残り」「子供時代からの貯金」しかなく、したがって使えるお金が限られてきます。

新しい漫画を買うお金を工面するために、持っていた漫画を古本屋へ売らなければならない。そんなシビアな資金繰りをしながら、細々と漫画を買っているような状態でした。

そしてもう一つの問題がありました。経済的な事情で買う漫画が限られる中で、より重要になってくるもう一つの問題。

それが何かというと「漫画のラインナップが人格を表現する」という問題です。

友達の家に遊びに行くと、まず目に入るのが本棚にある漫画だったりしませんか?そこに並ぶ漫画を見て、「こんな漫画が好きなんだ」「こういう傾向が好きなんだ」「うわっ、何このマニアックな漫画!?」と評価をするのが漫画好きあるあるです。

本棚に並んだ漫画は、自分を映す鏡であり、名刺代わりの存在だったんですね。だから自分の本棚に並べる漫画もよくよく考えて選ばなければならない。この問題です。

この点について、僕が強くこだわっていたのが「マイノリティへの憧れ」でした。

今思えば本当につまらない拘りなんですけど、当時の僕はマイノリティであること、つまりマジョリティへの反発が自分への全てだと考えていました。

だからメジャーな漫画を自分の本棚に置けませんでした。「メジャーな漫画を買うんだね」と思われるなんて考えただけで嫌でした。

しかし面白くないものも置けない。面白いものは必然的にメジャーなんです。アンビバレンツ。

ならどんな漫画なら置けるのだろうか…。

そう。

「マイノリティ×面白い」漫画。

こんな険しい漫画道を歩むことになってしまったんです。

本当に厳しい道でした。なぜなら当時はネットでレビューを読むこともできず、コミックを立ち読みできる古本屋もなく、「とりあえず買って読んでみる」方法でしか中身を確かめることができなかったからです。

なけなしの小遣いを握りしめて古本屋で「これだ!」という本を買ってはハズレを引いて落ち込む…。

それはいうなれば、大人な映像作品をレンタルした時の「またパッケージに騙された…」という悲しみに似たものがあると言えば分かっていただけるでしょうか。ちなみにこれに共感した人は、駄目な大人ですよ。自覚してください。

しかしそれだけに当たり=面白い作品を見つけた時の喜びは大きい。また、冷静に考えればそこまで面白くない作品でも、面白い漫画を見つけたい心理のバイアスが働き、「いやきっと面白いはずだ!」と高評価になったりもします。

その結果、僕の本棚にはマイノリティな作品が並ぶことになりました。

例えばこんな作品です。

・県立地球防衛軍
・陸軍中野予備校
・こちら埼玉山の上大学ボクシング部
・よこしまな守護霊
・有閑倶楽部

どうでしょうか?時代も古いこともあり、おそらく聞いたこともない漫画ばかりではないかと思います。

ちなみに有閑倶楽部は超有名な作品なんですけど、少女漫画というカテゴリーのため男の僕にとってはマイノリティな存在としてOKにしていました。

そして今回、最も記憶に残っていた漫画は何だろう?と考えたとき、思い浮かんだ漫画がありました。

それが魔界学園(秋田書店)です。

聞いたことありますか?

多分ないですよね。

秋田書店というのも私のマイノリティ魂を強くくすぐりました。

これ、なんと高校学園ものなんです。

ぶっ飛んだ設定と、妙に迫力のある画で僕のマイノリティ魂をくぎ付けにしたB級漫画として、長く本棚に鎮座することになりました。

魔界学園はどんな漫画だったのか?

残りの文字数で、今はもう本棚に残っていないこの漫画について記憶だけを頼りに紹介させていただきます。ネットで検索なんてしません!

記憶だけが頼り!魔界学園の3つの魅力

魅力1:ぶっ飛んだ世界観

とにかく世界観がぶっ飛んでいて楽しいです。

どんな世界設定かというと…

・魔術的なオカルト要素がある
・高校の「護衛団」が地域の治安を維持している
・西日本が音信不通になっていて、行き来が出来ない
・世界とも音信不通
・でも空港はあって飛行機が行き来している(!?)
・「世界番長会議」なるものが突然登場する
・世界征服をたくらむ高校がある

という感じです。ざっくり言うと、

ヤンキー漫画×オカルトもの

という感じですね。どうですか?わくわくしませんか?

ちなみに学校同士の抗争で普通に死者が出てます。

さて、舞台は東京にある高校・「帝(みかど)高校」です。

ここに主人公「檀隼人」が転校してくるところから話が始まるのですが、この最初のエピソードからもう魅了全開です。

怪しい先生が「今度転校生が来ることになった…」みたいなことを言うのですが、その最後になぜか「覚悟するようにな(ニヤリッ)」と言い放ちます。

ざわつく教室。

「いやよ!何が起こるのよ!転校生だなんて…!!」

恐れる女子生徒。どうですか?マイノリティしてませんか?

そしてこの転校生の登場の仕方もすごいですよ。

最初に精神体だけが転校してきます(!)。

そのあとに頭・胴体・右腕・左腕・右足・左足がそれぞれ箱に入った状態で空輸されてきて、箱のままで合体。メキメキメキ…と箱が割れると、体が完成しているという登場の仕方です。

ちなみに箱が合体するシーンで、転校生を殺そうとするヤンキーが手にしていた武器がなんと「ロンギヌスの槍のコピー」です。ヤンキーの武器がロンギヌスの槍のコピーですよ?エヴァンゲリオン零号機もびっくり。

そのヤンキーのセリフが「ほう、哭いてやがる…イエスの死を嘆く者共の嘆きの声だ…」みたいな感じ。オカルトな雰囲気全開です。

どうですか?マイノリティしてませんか?

こんな世界観が作品全体を貫いています。話が進むに従って世界観は次第に破綻しながらスケールアップしていくことになり、最後はイザナミとかイザナギとか出てきてなんじゃこりゃ!?って感じになりますが、そのトンデモぶりもこの作品の魅力だと言えるでしょう。

魅力2:魅力的な登場人物

主人公「檀隼人」をはじめとする、各高校の護衛団の魅力的な登場人物がこの作品の魅力です。

護衛団は番長を筆頭として、副番、外番、番外番などの番格が存在します。

番外番って何って感じですけど。完全にギャグ狙いです。

それぞれがキャラが立ち、オカルトな特殊能力を使います。例えば帝高校。

外番・海鳴:「ざざざあん」という音で敵を斬る。決め台詞は「音が斬るのだ!」。
番外番・本田:針金を自在に操って攻撃。針金で人形を作って騙すことも可能。
番外番・夜光:すべてを夢の世界の出来事にしてしまう(ほぼチート)

副番の響は何だったかなあ・・・。忘れました。
「冬の響」という異名があったのと、実は詩が好きだという設定は覚えてるんですけどね・・・。

で、メインの敵キャラは「ミス・ヴァージン」という魔術師。これがまた強烈!

何が強烈かというと、そのルックス。

ルパン三世の「ルパンVS複製人間」に出てくるマモーセーラー服を着せた感じのそのルックスは怪しさ全開!

自在に魔術を操ったり、顔だけを主人公に変身させたり、実は妹がいたり、西日本と繋がりがあったりと魔界学園のなかでかなり重要な人物なんですが、その愛らしく不気味なルックスで強く記憶に残る存在になっています。

この他にも全編を通じて魅力的な人物が一杯!
雑魚キャラも魅力いっぱいです。「あなた、化粧しちゃうゥゥ?」

魅力3:迫力ある画!

言葉で表現するのがとても難しいですが、迫力のある劇画チックな画もこの作品の大きな魅力です。

どんな感じでしょうね。

粗削りな北斗の拳…

ジョジョの奇妙な冒険を鋭くした感じ…

色々表現を考えてみましたが、やっぱり文字だけでは伝えるのが難しいのでとりあえずこのくらいにしておきます!

えっ?

全然魅力が伝わらないって?

でも考えてみてください。

20年以上に読んだ漫画のことを、固有名詞も織り交ぜながら記憶だけでこれだけ書けるという事実。

これが何より魅力的な作品だったという証拠じゃないでしょうか!

おわりに

最終的に魔界学園を記憶だけで紹介するという不思議な話になってしまいました。

でも思い返せば、マイノリティへの憧れというのは、マジョリティへの憧れと表裏一体なところがあったと思います。

マジョリティを意識しなければ、あえてマイノリティを追求するという行動は生まれないはずですからね。

それとも、既にマジョリティとして確立されたものではない、新しい可能性を求める本能だったのでしょうか。多様性や、進化を求める心理もマジョリティへの憧れには内包されているのかもしれません。

ということで、僕のマジョリティな話でした。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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